1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04671045
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
竹田 泰三 高知医科大学, 医学部, 助教授 (50115763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土師 知行 高知医科大学, 医学部, 講師 (20145147)
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Keywords | 内リンパ水腫 / 前庭神経 / 活動電位 |
Research Abstract |
メニエール病をはじめとする内リンパ水腫関連疾患の病態生理を把握するため、内リンパ腔に内リンパ等価液を注入することにより急性内リンパ水腫を作成し、急性に生じた水腫が及ぼす内耳機能の影響を観察してきた。すでに、蝸牛機能はこの急性水腫で-EPの減少、-SP/AP比の上昇する事が判明した。さらに、平成5年度は誘発耳音響放射の電気的表現とも考えられる蝸牛マイクロフォン電位遅発反応を計測し、この反応は誘発耳音響放射と同じく脆弱で、急性水腫によっても容易に消失することを知った。5年度は、前庭神経の自発放電発火頻度を計測し、急性水腫が及ぼす前庭機能の影響についても検討した。結果は、必ずしも一定しなかったが、前庭神経の自発放電頻度は人工内リンパ液の中央階注入で増大する傾向がみられた。また、卵円窓下を人工内リンパ液で還流すると同様に前庭神経の自発放電は増大を見た。高々2muL程度の人工内リンパ液の注入では、一過性に内耳圧を軽度上昇させるが、内・外リンパ圧には圧差を生じさせるには至らないことが以前の我々の実験で判明しているので、この前庭神経自発放電は内リンパ腔に急性に人工内リンパ液を注入したことにより、膜迷路より高k液が外リンパ腔に漏出し、前庭神経を刺激したためと考えるのが最も理解し易い。メニエール病のめまい発作は急性に増大する水腫が一因である可能性が強い。
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Research Products
(1 results)