1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04671055
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 功 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90018375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 博昭 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (50217709)
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Keywords | 視運動性眼振 / 初期急速増加 / 視運動性後眼振 / 橋外背側核 / サル |
Research Abstract |
視運動性眼振(OKN)の皮質下第1次中継核である視索核(NOT)に順行性に神経線維を標識出来るバイオサイチンを注入するとOKNの信号は3つの主要路を辿って前庭核に到達する。この内橋背外側核(DLPN)はNOTから豊富な線維を受ける他前頭眼野、頭頂葉より豊富な追跡眼球運動の信号を受けている。今回、DLPNの視性眼運動に対する役割を検討した。 実験方法:6匹のサルを用いた。ハロタン麻酔下に慢性実験用にボルト、シリンダー、電極等を植え込んだ。コントロールを取った後光のon-offに応ずる外側膝状体を同定し、それから電極を約5mm移動しOKNの刺激に応ずるユニットを記録しDLPNを同定した。その後31ゲージの針を同部位に刺入し、4%キシロカイン0.3〜0.7μ1注入。視性眼運動の変化を観察した。実験終了後電気凝固で注入部位を標識した。 実験結果:6匹の内2匹でDLPNを同定出来た。M-11ではキシロカイン0.7μ1注入した。注入20分後のOKNは初期急速増加は42.3°/sより12.7°/sに低下しOKN定常状態は36.0°/sより20.0°/sに低下した。暗所にすると後眼振が発来し15秒短縮して40秒であった。OKN刺激を注入側と対側に与えると初期急速増加が48.2°/sより23.2°/sに減少したが他のパラメーターには変化が認められなかった。60分後でも両側とも回復していたが各パラメーターは減少していた。M-11の破壊巣はDLPNをほぼ覆っていた。M-7の破壊巣はDLPNの前端部に認められた。このサルにキシロカイン0.3μ1注入したが注入側だけ初期急速増加が31.5°/sより17.3°/sに減少した。 結論:DLPNを化学的に麻酔すると注入側優位に両側性に追跡眼球運動を反映する初期急速増加が低下する。これはDLPNが主に追跡運動に関係し小脳を介して対側に影響する。前庭核に存在する蓄積機構を反映する後眼振にも影響するのが消失しなかった。これはOKNの主要路に組込まれてなく一成分を形成するものと考えられる。現在イボテン酸で実験中。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kato I, Sato S, Watanabe S, Nakashima H, Takeyama I, Watanabe Y.: "Role of the dorsolateral pontine nucreus in two components of optokinetic nystagmus(OKN)." Acta otolaryngol(Stockh) Suppl.(1993)
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[Publications] 加藤 功、中島 博昭、渡辺 昭司、竹山 勇、長谷川 智彦: "視索核破壊のOKN2成分への影響" Equilibrium Research. 52. (1993)