1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04671060
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
松田 素子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 発生学部, 主任研究員 (40165832)
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Keywords | ラット胚 / 耳プラコード / 聴神経節 / 形態形成 / 陥入 / 細胞増殖 / 細胞移動 / マイクロフィラメント |
Research Abstract |
1.正常発生(in vivo)におけるラット耳胞形成を経時的に観察した。 ラット胚耳プラコード(菱脳域の側面外表皮の肥厚)は胎生10日に見られ、体節数10(胎生約10.5日)で200x160x40μm(頭尾軸x左右軸x背腹軸)のくぼみが形成され、体節数13で220x200x75μm、体節数16で220x140x100μm、体節数18で220x180x120μmとなり、体節数21(胎生約11.25日)で閉鎖し、220x180x200μmの耳胞が形成された。最初、プラコードの背部は神経管側面に接近し(体節数10)、その背端が外側方に突出した(体節数16)。ついで、腹端が背端方向に盛り上がり(体節数18)、両端が癒合し表皮から離脱した(体節数21)。この時、プラコードの屈曲に対応した細胞核のapicalあるいはbasal域での局在が観察された。昨年、筆者らは、コンピューターによる画像解析でショウジョウバエ原溝陥入過程を解析し、陥入域の細胞のapicalあるいはbasal面の伸長(細胞核の局在とマイクロフィラメントの消長を伴う)により陥入が起こることを明らかにした。ラット耳プラコードの陥入にも同様の機構が働いている可能性が考えられる。 2.ラット全胚培養法を用いて耳胞形成不全胚を作成した。 0.01μg/mlサイトカラシンDを添加したラット血清中で、胎生9.5日ラット胚を48時間培養し、頭部神経管形成不全胚を得た。これらの胚の耳胞は150x200x230μmの頭尾方向に短く、左右方向に長い形態異常を示していた。対照胚のそれは220x160x300μmであった。 3.耳胞形成過程での細胞の増殖・移動・形態変化を定量的に解析中である。 現在、2.で得られた胚をもちいて、抗アクチン抗体染色、および、画像解析を行っている。
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