1992 Fiscal Year Annual Research Report
老人性円板状黄斑変性症のレーザー光凝固成績向上のためのビデオ赤外蛍光造影の応用
Project/Area Number |
04671086
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
湯沢 美都子 日本大学, 医学部, 講師 (60139160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 昭之 日本大学, 医学部, 助手 (90214692)
萩田 勝彦 日本大学, 医学部, 助手 (10189459)
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Keywords | 老人性円板状黄斑変性症 / 黄斑部脈絡膜新生血管 / インドシアニングリーン蛍光眼底造影 / フルオレセイン蛍光眼底造影 / レーザー光凝固 |
Research Abstract |
1.老人性円板状黄斑変性症が疑われた168症例178眼に対して、蛍光眼底造影(FA)とビデオ赤外蛍光眼底造影(IA)を行い、比較検討し、以下の結果を得た。 1)FAで脈絡膜新生血管(CNV)の検出ができない場合(Poorly‐defined CNV)にはIAが有用である場合の多いことが再確認できた。前年度には検討できなかった、FAでoozingを示すPoorly‐defined CNVに対しても、IAではCNVが明らかになる場合の多いことがわかった。 2)FAでWell‐definedを示すCNVは、IAではFAと同様の典型造影所見を示す場合、初期にのみCNVの所見を示す場合、後期にのみ色素の漏れを示す場合、蛍光漏出を示さない場合の4通りがあることが明らかになった。 3)IA初期にはCNVが低蛍光部を示す場合のあることが明らかになった。これは、CNVからの出血、滲出による蛍光のプロックである可能性と充盈遅延の可能性があると考えられた。 2.カメラを交換し、IAの造影像の画質の改良が得られた結果、CNVの栄養動脈の造影像が明瞭にみとめられるようになった。その結果、中心窩に大型の脈絡膜新生血管板があり、CNV全体に対する光凝固によって視機能が障害されると考えられる場合に、この栄養動脈を凝固閉塞するという新しいレーザー治療の手技が可能になった。現在5例に試み、経過観察中である。 3.IAとFA、FAのみを指針として従来の方法でレーザー光凝固を行った症例の治療成績の比較については前者の経過観察期間が不十分なため、次年度にもちこした。
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[Publications] 湯沢 美都子: "老人性円板状黄斑変性症" 医学のあゆみ. 160. 234 (1992)
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[Publications] 湯沢 美都子,川村 昭之, 中島 正巳, 正田 美穂, 松井 瑞夫: "ビデオ赤外蛍光造影の臨床応用 老人性円板状黄斑変性症の初回光凝固" 厚生省特定疾患網膜脈絡膜萎縮症調査研究班 平成3年度研究報告書. 152-155 (1992)
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[Publications] 湯沢 美都子, 中島 正巳, 川村 昭之, 高橋 信仁, 正田 美穂 ,松井 瑞夫: "脈絡膜新生血管を伴う大型の色素上皮剥離のレーザー光凝固成績" 厚生省特定疾患網膜脈絡膜萎縮症調査研究班 平成3年度 研究報告書. 170-173 (1992)
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[Publications] M. Yuzawa, A. Kawamura, M. Matsui: "Clinical evaluation of indocyanine green videoangiography in the diagnosis of choroidal neovascular membrane associated with age-related macular degeneration." European Journal of Ophthalmology. 2. 115-121 (1992)
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[Publications] 湯沢 美都子: "黄斑部の加令変化" 日本の眼科. 63. 1317 (1992)
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[Publications] 湯沢 美都子: "新生血管黄斑症の発生機序と最近の治療法" 日本の眼科. 63. 55-56 (1992)
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[Publications] 湯沢 美都子(分担執筆): "「眼科診療プラクティス 2 眼底の描き方」 黄斑疾患,インドシアニングリーン螢光眼底造影" 文光堂, 212-213 (1992)