1994 Fiscal Year Annual Research Report
老人性円板状黄斑変性症のレーザー光凝固成績向上のためのビデオ赤外蛍光造影の応用
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04671086
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
湯沢 美都子 日本大学, 医学部, 講師 (60139160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 昭之 日本大学, 医学部, 助手 (90214692)
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Keywords | 老人性円板状黄斑変性症 / 黄斑部脈絡膜新生血管 / インドシアニングリーン蛍光眼底造影 / フルオレセイン蛍光眼底造影 / レーザー光凝固 |
Research Abstract |
色素上皮離は老人性円板状黄斑変性症の前段階になる可能性が高い。一方、老人性円板状黄斑変性症の初期病巣では色素上皮剥離を伴う場合がある。しかし、フルオレセイン蛍光造影では脈絡膜新生血管を検出できないことが多かった。筆者は100個の色素上皮剥離のフルオイセイン蛍光造影所見とインドシアニングリーン蛍光造影所見と比較した。 インドシアニングリーン蛍光造影で脈絡膜新生血管が認められた39個の色素上皮剥離のうち、フルオレセイン蛍光造影で脈絡膜新生血管が認められたものは4個にすぎなかった。色素上皮下の脈絡膜新生血管はフルオレセインによる蛍光造影では発見が困難であり、従来は光凝固の適応になる場合が少なく、光凝固成績は不良であった。インドシアニングリーン蛍光造影により脈絡膜新生血管の検出率が上昇すると、レーザー光凝固の適応が増え、本病型を有する患者の視力予後は今後改善するものと考えられる。 また、インドシアニングリーン蛍光造影で脈絡膜新生血管を認める色素上皮剥離では、インドシアニングリーン蛍光造影で後期に色素上皮剥離を示す過蛍光部内に低蛍光部がみられる場合に、脈絡膜新生血管が発生する可能性のあることがわかった。したがってこのような蛍光造影パターンを示す色素上皮剥離には注意深い経過観察が必要であると思われる。
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[Publications] 川村,昭之: "脈絡膜新生血管板の栄養血管に対する光凝固" 臨床眼科. 48. 565-568 (1994)
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[Publications] 湯沢美都子: "老人性円板状黄斑変性症の臨床的研究" 日大医学雑誌. 53. 381-384 (1994)
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[Publications] 湯沢美都子: "網膜色素上皮剥離のICG蛍光眼底造影所見" 臨床眼科. 49. 73-82 (1995)
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[Publications] 湯沢美都子(分担執筆): "「眼科学大系5B レーザー眼科」黄斑下新生血管症" 中山書店, 13 (1994)