1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04671089
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
川島 幸夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80177675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深井 小久子 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (50238432)
木村 久 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (70169936)
田淵 昭雄 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90122431)
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Keywords | 磁気刺激法 / 安全性 / 誘発筋電図 / 背景脳波 / パワースペクトルム / 二次元脳電図 / パターン反転視覚誘発反応 |
Research Abstract |
われわれは磁気刺激法の安全性をヒトおよび白色家兎において電気生理学的ならびに形態学的に検討した。正常成人10名および白色家兎10羽に対して八の字コイルを用いてTCMを行い誘発筋電図および刺激前、同中、同後の背景脳波と視覚誘発反応の変化を分析した。刺激部位はC4(運動領)、02(視覚領)近傍と肘部正中神経とした。誘発筋電図は左母指球筋に表面電極を双極誘導で設置し、得られた信号を10回加算平均処理した。脳波およびパターン反転視覚誘発反応分析はSignal processor 7T18 (NEC)で行った。白色家兎は合計1000回以上刺激後に組織学的に検討した。その結果、1.誘発筋電図を肘部正中神経刺激、TSC(C4近傍)により母指球筋の誘発筋電図が記録可能であった。2.誘発筋電図の閾値はそれぞれ50V、75V(コイル電圧)であった。3.正中神経刺激では筋収縮と電撃的な感覚(無痛覚)を誘発したが、運動領刺激ではこれらを認めなかった。4.軽い頭痛が残存する事があった以外、心理物理学的な異常反応を認めなかった。5.母指球筋筋電図はTSCの指標となった。6.刺激中および刺激後約400msec以内は背景脳波および視覚誘発反応の分析が困難であった。7.TSC前後において背景脳波の各周波数帯域のパワースペクトルムに変化を認めなかった。8.TSC前後において背景脳波の各周波数帯域の頭皮上分布に変化を認めなかった。9.TSC(02近傍)前後のパターン反転視覚誘発反応に有意差を認めなかった。10.白色家兎をコイル電圧1300V,100回刺激した際、背景脳波は有意に徐波化した。11.白色家兎1300V,1000回刺激では現在までに明らかな組織学的変化を見いだせなかった。今回われわれはヒトにおける背景脳波とパターン反転視覚誘発反応の各周波数帯域のパワースペクトルムと二次元脳電図において著変を認めなかった。よってTSCは限定量(コイル電圧600Vを200回程度、検査時間約2時間)であれば短期的には安全であると考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 川島 幸夫: "複合的画像診断法による閃光およびパターン反転中潜時視覚誘発反応の電位発生源の検討" 脳波と筋電図. 20. 53-62 (1992)
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[Publications] 川島 幸夫: "複合的画像診断法による中潜時視覚誘発反応の異常電位分布の機序の検討" 脳波と筋電図. 20. 63-71 (1992)
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[Publications] 錦織 修道: "Crow-Fukase症候群の一例における多モード視覚誘発反応の検討" 眼紀. 43. 410-417 (1992)
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[Publications] 川島 幸夫: "視覚刺激に関連する誘発磁界の研究" 日本生体磁気学会誌. 5. 324-327 (1992)
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[Publications] 川島 幸夫: "中潜時視覚誘発反応の研究:複合的画像診断法の応用" 川崎医療、福祉学会誌. 2. 143-150 (1992)
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[Publications] Sachio Kawashima: "Short latency visual evoked potential elicited with pattern reversal stimulation. Current Aspects in Ophthalmology,pp1509-1512" Excepta Medica, 1900 (1992)
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[Publications] Sachio Kawashima: "Composite image diagnosis of human short latency visual evoked potential. Brain topography,pp133-138" Neuron Publishing Tokyo, 405 (1989)