1992 Fiscal Year Annual Research Report
セメント質に関するレクチン組織化学的免疫組織化学的研究
Project/Area Number |
04671091
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加賀山 学 東北大学, 歯学部, 教授 (60004610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹野 泰之 東北大学, 歯学部, 助手 (30196191)
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Keywords | セメント質 / レクチン組織化学 / 免疫組織化学 / 歯根形成 / ラット / 抗プロテオグリカン抗体 / 抗I型コラーゲン抗体 / 加令変化 |
Research Abstract |
この研究ではセメント質の特性を明らかにするため、成熟動物のセメント質およびその発生過程において発現される基質をレクチンおよび抗体を用いて検討した。実験動物には主としてラットを用いた。生後1週から10週まで1〜2週おきに臼歯を摘出し、4%パラフォルムアルデヒド液で固定、EDTAで低温脱灰し、凍結切片またはパラフィン包埋により連続切片を作製してレクチンまたは抗体による処理の後、光線顕微鏡により観察した。レクチン組織化学ではシアル酸認識系のWGA、LFA、SNA、MAA、またその他のレクチンとしてConA、MPAを用い、免疫組織化学では抗プロテオグリカン抗体(単クローン抗体2B6、3B3、5D4)および抗I型コラーゲン抗体を用いた。これらの各種レクチンおよび抗体を用いた検索により以下の事が明らかにされた。 1)各種レクチンを用いた組織化学的検索により、歯槽骨およびセメント質は多くのレクチンに反応したが、その反応局在は用いたレクチンにより異なっていた。MPAは破骨細胞に陽性、LFAは歯槽骨セメント線とセメント質表層で陽性、SNAとMAAは類骨セメント前質に陽性であった。 2)各種プロテオグリカンに対するモノクローナル抗体(2-B-6、3-B-3、5-D-4)および抗ラットI型コラーゲン抗体を用いた免疫組織化学的検索により、ラット歯槽骨では増令に伴う変化が認められた。また従来ウサギ以外では報告されていないケラタン硫酸がラット歯槽骨で検索された。セメント質においてもアルシアン青染色によりプロテオグリカンの存在が示唆され、セメント前質においてコンドロイチン4硫酸およびコンドロイチン6硫酸の存在が免疫組織化学的に検出された。
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