1992 Fiscal Year Annual Research Report
マットニン作動性ニューロンの類反射機能に及ぼす効果に関する形態学的・生理学的研究
Project/Area Number |
04671095
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
重永 凱男 大阪大学, 歯学部, 教授 (90028770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 元秀 大阪大学, 歯学部, 助手 (70192169)
吉田 篤 大阪大学, 歯学部, 講師 (90201855)
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Keywords | 三叉神経 / セロトニン / 縫線核 / HRP / 免疫組織化学 / 細胞内染色 / 細胞内記録 |
Research Abstract |
本研究は、縫線核セロトニン作動性ニューロンの類反射機能、特に三叉神経運動ニューロンに及ぼす効果について、形態学的・生理学的に検討したものである。その結果、三叉神経運動核に投射するセロトニン作動性線維の起始細胞は、縫線核群のうち、主に淡蒼縫線核及び不明縫線核に存在することが、horseradish peroxidase(HRP)の逆行性輸送法とセロトニンの免疫組織化学法により示された。また、セロトニン免疫陽性終末は、咬筋運動ニューロンでは主にその退位樹状突起、また、開口筋運動ニューロンではその近位樹状突起とシナプス接合をなすことが、HRPの細胞内染色とセットニンの免疫組織化学による二重染色法により示された。これらの形態学的研究結果から、縫線核群の三叉神経運動ニューロンに対する作用が、咬筋運動ニューロンと開口筋運動ニューロンとで異なることが予想され、電気生理学的に検討した。その結果、淡蒼及び不明縫線核電気刺激に対し、咬筋及び開口筋運動ニューロンで細胞内記録された電位変化は、両運動ニューロンで異なることが判明した。即ち、咬筋運動ニューロンで誘発された脱分極性電位は、時間経過の長い緩かな電位変化を示したのに対し、開口筋運動ニューロンでは、時間経過の短い鋭い立ち上がりを示した。これらの脱分極性電位のrise timeとhalf-widthとの関係を比較すると、セロトニン作動性線維が咬筋運動ニューロンの遠位樹状突起と、また開口筋運動ニューロンの近位樹状突起とシナプス接合をなすという結果とよく対応した。以上の結果から、セロトニン作動性ニューロンと三叉神経運動核との神経連絡が明らかになり その三叉神経連動ニューロンに対する制御機構の解明にも重要な知見が与えられた。
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Research Products
(1 results)