1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04671099
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
太田 寛行 岡山大学, 歯学部, 助教授 (80168947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苔口 進 岡山大学, 歯学部, 助手 (10144776)
福井 一博 岡山大学, 歯学部, 教授 (70034171)
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Keywords | 白血球毒素 / A・actinomycetemcomitans |
Research Abstract |
白血球毒素を産生する歯周病原性細菌,Actinobacillus actinomycetemcomitansをケモスタット培養し,毒素産生の変動性について検討した.また,毒素遺伝子の発現制御を解析するために毒素遺伝子のクローニングを行った.ケモスタット培養は,増殖速度,pH,酸化還元電位,培地のイオン強度を連続的に変化させて,得られた定常状態の培養について毒素の局在と産生量をイムノブロット法で分析した.毒素産生の変動性については以下の結果を得た.1)毒素の局在部位は菌体表層であり,核酸とイオン結合して存在することが推察された.したがって,培地のイオン強度を高めることによって,菌体から培養上清への毒素の遊離が起こった.2)pH7.0の嫌気培養で増殖速度が0.03〜0.25h^<-1>の範囲の時,毒素産生は0.15〜0.20h^<-1>で最大となり,毒素産生は増殖速度に依存した.3)pH7.0の嫌気培養に段階的に空気を通気すると,毒素産生は嫌気ないし微好気条件でのみ観察された.4)増殖速度0.10h^<-1>の嫌気培養では,細菌の増殖可能pH範囲は5.9〜7.8であり,毒素産生はpH6.5〜7.5の範囲で観察された。以上の結果より、毒素産生は環境条件によって大きく影響を受けると結論できる. 毒素遺伝子のクローニングは,A.actinomycetemcomitans301‐b株の染色体DNAを制限酵素Sau3A Iで部分消化して得られた7〜9kb画分をべクタープラスミドpUCl8に挿入し,大腸菌JM109で発現ライブラリーを構築して行った.このライブラリーによる形質転換体 約 25,000コロニーから抗毒素家兎血清と反応する3クローンを分離し,現在,分析を進めている.
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Research Products
(1 results)