1993 Fiscal Year Annual Research Report
発達過程の有郭乳頭および味蕾の細胞接着分子の免疫組織化学
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04671103
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
武田 正子 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40001953)
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Keywords | 味蕾 / 神経細胞接着分子 / N-CAM / 神経切除 / 味網胞 / リン脂質 |
Research Abstract |
味蕾は、神経依存性であり、その発生、分化、維持のためには、神経線維の存在が必要不可欠であると言われている。また味蕾には、神経細胞間の相互作用、接着に働き、形態形成に重要な役割をはたす神経細胞接着分子(Neural cell adhesion molecule、N-CAM)が、神経線維膜とともに、神経終末と求心性シナプスを形成するIII型細胞の膜にも存在する(Takeda1992)。成熟マウスを用いて、有郭乳頭味蕾の支配神経である舌咽神経を両側とも切断すると味蕾細胞のN-CAMはどうなるかを、抗N-CAM抗体を用いて、凍結切片を作成し酵素抗体法間接法により調べた。神経切除後3日目で有郭乳頭上皮内と味蕾内の神経線維は消失し、乳頭結合組織の神経線維は著しく減少して、8日目にほぼ消失した。味蕾のN-CAM陽性細胞は、切除後3日目ではcontrolと比べ変化はない。8日目になると、味蕾の数が減少し、小型化するのにともない、N-CAM陽性細胞も減少する。この陽性細胞は残存した各味蕾に2-3個存在した。切除後11日目の残存する味蕾の電顕像では、味蕾のIII型細胞にはライソゾームの増加とともに、直径80-100nmの有芯小胞の増加が見られた。これらのことから、神経切除後も少数ではあるが残存する味蕾のIII型細胞は、controlと同様、N-CAMを合成しているとがわかった。今後、神経切除後3週前後で、神経線維が再生し、それとともに味蕾も再生していく過程で、N-CAMがどのように発現するかを光顕と電顕により追求していく。一方、今回の電顕観察のさいに、タンニン酸を含む固定液で前固定を行ったところ、味蕾のI,II,IIIの各型の細胞の頂上部胞体と味孔内に 多数の5nm間隔の層板をもつ球状構造物が観察された。これはリン脂質を含む物質に特有な構造物である。すなわち、味蕾細胞がこれらを合成し、味孔内に分泌し、味物質が味孔内で味細胞膜に吸着する時に、この物質が味物質の可溶性を促進する表面活性剤として作用すると思われる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Takeda: "A structure containing phospholipids in the taste buds." Anatomical Record. Supp1.1. 111 (1993)
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[Publications] M.Takeda: "Lamellar bodies of mouse taste buds fixed with tannic acid." J.Electron Microscopy. 43(発表予定). (1994)
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[Publications] M.Takeda: "Lamellar bodies of mouse taste buds." 11th International Symposium of 01faction and Taste. 45 (1993)
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[Publications] M.Takeda: "0lfaction and Taste XI" Springer-Verlag Inc.(発行予定), (1994)