1992 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺主導管上皮の機能的・形態的解析IV.tuft cellの免疫および組織化学的研究
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04671115
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
佐藤 敦子 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (20099047)
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Keywords | Submandibular gland / Main excretory duct / Rat(Wistar) / Tuft cell / Microvilli / PA-TCH-SP-PD / Glycoconjugate cytochemistry |
Research Abstract |
ラット主導管上皮には、機能が全くわかっていないtuft cellと呼ばれる非常に長い微絨毛を有し、頂部に多数の小胞を持つ特殊な細胞が存在している。この小胞内には線維状または雲状の内容物が存在している。それは多糖類を思わせるものである。tuft cellの微絨毛間にウィルスが存在することがある。主導管を構成している他の細胞の短かい微絨毛には存在しない。この事からtuft cellの微絨毛間にはウィルスを吸着する何らかの物質が存在する可能性がある。tuft cellの小胞の内容物とこれが分泌されるのだという事を証明する為に以下の実験を行い、次の様な結果を得たので、その概要を報告する。 1.過ヨウ素酸(PA)-チオカルボヒドラジド(TCH)-蛋白銀 (SP)-物理現像法(PD)を用い、小胞内の糖質の検出を行った。 陽性反応はtuft cellの形質膜、小胞の限界膜と内容物、ライソゾーム、ゴルジ要素に認められた。小胞内の線維状また雲状の物質は複合糖質の可能性が示された。 2.小胞の内容物が分泌されるかどうか調べる為にタンニン酸染色を行ったが、小胞の染色具合が他と区別しにくかったので、ルテニウムレッド染色を行った。 管腔面に接近している小胞全体がルテニウムレッドに染った。小胞が開口分泌しているものと考えられ、tuft cellに存在している小胞の内容物は分泌されるという事が推定された。 tuft cellの機能の1つとして複合糖質を分泌している可能性が示された。
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Research Products
(1 results)