1993 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺主導管上皮の機能的、形態的解析.IV.tuft cellの免疫および組織化学的研究.
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04671115
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
佐藤 敦子 福岡歯科大学, 医学部, 助教授 (20099047)
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Keywords | Submandibular gland / Main excretory duct / Tuft cells / postnatal development / Rat(Wister strain) / PA-TCH-SP-PD / Glycoconjugate cytochemistry |
Research Abstract |
ラット唾液腺主導管に存在するtuft cellは、唾液腺の外胃腸域、胆嚢、胆管、膵管、気管や肺胞にも存在しているが、その機能は全く分かっていない。そこでtuft cellの機能を明らかにする一環として、ラット顎下腺主導管に存在するtuft cellの生後発達を調べた。 Wister系雄性ラットを用い、生後0日目、1日目、3日目、5日目、7日目、9日目、14日目、21日目、28日目、56日目のラットより主導管を切り出し、通法にて固定を行い、試料を作製し、透過電顕と走査電顕にて観察を行った。生後0日目ですでに約6%のtuft cellが存在している(成獣では全体の細胞の約7%存在する)。tuft cellの特徴である微絨毛は長さは400-500nm,直径100-150nm(成獣では長さ1000-1200、直径200-300nm)とまだ未発達である。核上部に存在している微小管や細線維は存在するが、小胞の数は多くない。1日目のものでは微絨毛の長さも太さも0日目のものと殆ど変わらないが小胞の数が増え、良く発達したゴルジ体が核上部に観察されるようになる。発現頻度は約7%になり成獣のものと変わらなくなる。7日目のものでは微絨毛の長さも太さも1日目のものと変わらないが、グリコーゲンの集積がみられるようになる。14日目ではtuft cellは約6%と減る傾向になり、21日目では2.5%と減る。しかし28日目では約7%に戻る。この時期になると微絨毛の大きさや微細構造は成獣のものと変わらなくなり、tuft cellは完成するものと思われる。21日目は離乳期に当たりいろんな器官が大きく変わる時期である。主導管も急に太さを増すためにtuft cellの数も減ったように見えるのかもしれない。終末部の細胞が分泌機能を持つのは生後5-7日目であるという。tuft cellはまだ唾液が分泌されていない1日目に殆ど完成し機能しているように思える事から、再吸収説や化学受容器説は考えにくく、多数の小胞が存在するところから何らかの物質を分泌していることが考えられる。物理現像法で複合糖質の反応を行ってみると薄いが陽性反応が認められる。更にレクチン染色法で詳細を検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 佐藤敦子: "唾液腺主導管上皮の超微形態学" 電子顕微鏡. 28. 122-127 (1993)
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[Publications] Sato A.: "Postnatal development of the tuft cells in the main excretory duct epithelium of the submandibular gland of the rat." Cell Tissue Res. (発表予定).