1993 Fiscal Year Annual Research Report
ラット骨形成細胞の株細胞の樹立及びアルカリ性ホスファターゼの生理的役割の追求
Project/Area Number |
04671117
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久田 洋 北海道大学, 歯学部, 助教授 (20001018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 善隆 北海道大学, 歯学部, 助手 (30230816)
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Keywords | 骨形成細胞 / 株の樹立 / アルカリ性ホスファターゼ / 石灰化 / ラット |
Research Abstract |
骨形成細胞の種々の機能を研究するには、in vitroにおいてin vivo同様に骨基質を生産し石灰化し、骨形成を行う株化した細胞系を得るのが望ましい。現在、上記の条件を満たす“正常"の株細胞は少なく、多くは腫瘍を起源としている。 申請者は、残された研究生活3年間に正常ラットを起源とする株細胞の樹立を第一目的とし、平成4年は細胞を初代より継代へと培養を行い、続いて本年はその性状を検索してきた。 方法 1.研究材料 : 細胞は、Wistar系ラット19〜21日目の胎児の頭蓋冠を細片し、35mm dish一個当たり2〜3個静置した。 続いて骨片からout培養液は10%牛胎児血清・100μ/ml penicillen・100μg/ml Streptmycinを含むα-MEM培地(pH7.4)その骨片を用い、2日毎に培養液交換を行った。 2.継代培養 : 初代培養において、増殖力が強くかつ形態が同一と考えられるdishの細胞をpre-confluenceに達する毎に60〜90mmのdishに移植し、継代培養を続行した。 結果 平成4年より二十数回に亘る初代培養を行い、一回につき少なくとも10dish以上を培養し、計100dish以上の継代を試みた。 その結果、18系統について、各系統並びに各継代の細胞を5代毎に凍結保存を行っている。これらの中には、培養3〜5日間で前石灰化と考えられる部位も認められ、系統樹立への可能性を示したものとして今後の研究の進展が期待される。18系統中、現在7系統を2年間に亘り45〜60継代以上続けている。この中で、石灰化能を持つ系統について、経時的にその石灰化部位を電顕で検索中である。 来年度は、株化樹立の確定並びにそれら細胞系について第二目的である石灰化における酵素の生理的役割について検討したい。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Akira Matsumoto: "Intracellular free calcium and phosphatidylinsitol-1,4,5-triphosphate in bone cells cultured in a low calcium environment." J.Bone and Miner.Metabol.10. 1-7 (1992)
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[Publications] Yoh Hisada: "Changes of protein kinase C activity in rat calvarial bone cells cultured in a low-calcium environment." Archs.Oral Biol.37. 695-698 (1992)
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[Publications] Akira Matsumoto: "c-fο_3 mRNA expression after treatment with fetal bovine serum and epidermal growth factor for osteoblastic MC3T3-E1 cells cultured in a low calcium environment." Biochem.Biophys.Res.Commun.193. 77-87 (1993)
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[Publications] Akira Matsumoto: "The change of DNA synthesis activity in the first molar tooth germ of neo-natal rat cultured in a low-calcium environment." Oral Therap.Pharmacol.12. 135-139 (1993)
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[Publications] Ogura H.ed.: "Pharmacological approach to the study of the formation and the resortion mechanism of hard tissue." Ishiyaku Printing Co.Ltd.(in press),