1994 Fiscal Year Annual Research Report
ラット骨形成細胞の株細胞の樹立及びアルカリ性ホスファターゼの生理的役割の追求
Project/Area Number |
04671117
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久田 洋 北海道大学, 歯学部, 助教授 (20001018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 善隆 北海道大学, 歯学部, 助手 (30230816)
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Keywords | ラット骨芽細胞 / 株細胞の樹立 / 石灰化能 / 電顕的観察 / アルカリ性ホスファターゼ |
Research Abstract |
正常ラットの骨芽細胞系株細胞の樹立を第一目的とし、平成4〜5年は細胞を初代より継代へと培養を行い、続いて本年はそれらの石灰化能及び石灰化組織形成過程を経時的に追求し、興味ある下記の知見を得た。 方法:培養は基本的には一般的方法に従った。標準α-MEN培養液を用い、β-グリセロリン酸、デキサメタゾンまた多量のアスコルビン酸等は添加しなかった。細胞は、特別なカバースリップ上に培養し、通法に従い包埋・切片を作成し透過型電顕を用いて観察した。 結果:培養2日目より28週(7ケ月)までの石灰化組織形成の主な組織像(表示なしは電顕的観察)。 (2日目)細胞は単層。 (7日目)細胞は、光顕的にはコンフルエント。発達した細胞内小器官を持つ偏平な細胞が重なり複層を形成し、その間に不規則な配列の線維がある。また隆起がある。 (2週目)隆起は数層の細胞から構成され、これら細胞間には多くのコラーゲン線維群が90度方向に交互に重なり合う。 (6週目)肉眼的に結節が認められる。結節の表面は、良く発達した小器官を持つ骨芽細胞様細胞が一層あり、また結節内に埋入している細胞は層状を呈する。 (7ケ月)光顕的に結節内は層板構造を持つ。結節は膜状楕円形の細胞で囲まれ、内部には数層の偏平な細胞層があり、この直下には針状結晶(カルシウム・リン検出)を含むコラーゲン線維群で構成される層がある。この層板構造は骨・セメント質のそれに良く似ている。基質中に埋入している細胞は、細胞質突起を有しまたギャップ結合も認められ骨細胞に良く似ている。 このように石灰化能を有する細胞系が、現在8系統余冷凍保存中であり、本研究の当初の目的は達せられた。 なお、これらを材料として、当教室では石灰化過程におけるアルカリ性ホスファターゼの役割等を検索中であり、本結果は研究の進展に貢献し得るものと考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hisada,Y.and Matsumoto,A.: "Changes of protein kinase C activity in rat cavarial bone cells cultured in a low-calcium environment." Archs.Oral Biol.37. 695-698 (1992)
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[Publications] Hisada,Y.and Matsumoto,A.: "Function of osteoblastic bone in low-calcium environments." Jpn.J.Pharmacol.55. 29- (1992)
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[Publications] Matsumoto,A and Hisada,Y.: "Intercellular free calcium and phosphatidylinsitol-1,4,5-triphosphate in bone cells cultured in a low calcium environment." J.Bone and Miner.Metabol.10. 1-7 (1993)
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[Publications] 吉村善隆 他4名: "異なる培養条件下の培養骨形成細胞における石灰化とアルカリ性ホスファターゼ活性の変化" 歯科基礎医学雑誌. 36. 123- (1994)
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[Publications] 久田洋 他4名: "ラット胎児頭蓋冠由来細胞の継代培養下において形成される石灰化組織の微細形態学的研究" 歯科基礎医学雑誌. 36. 130- (1994)
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[Publications] Matsumoto,A.and Hisada,Y.: "Effect of drugs (chemicals) on the dentin formation in tooth." Jpn.J.Pharmacol.67. 14- (1995)
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[Publications] Matsumoto,A.and Hisada,Y.(ed.Ogura,H.): "Phamacological approach to the study of the formation and the resortion mechanism of hard tissue." Ishiyaku printing Co.Ltd,Tokyo., 186 (1994)