1993 Fiscal Year Annual Research Report
三叉神経への過剰刺激による交換・副交感神経反応の同一性の研究
Project/Area Number |
04671142
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
湯山 徳行 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (80121044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅谷 英一 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (50084710)
梶原 景正 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (00204397)
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Keywords | 三叉神経 / Reilly現象 / 迷走神経 / c-fos |
Research Abstract |
今回、三叉神経に強度の刺激を加えた時に中枢のどのような部位にc-fos蛋白が発現するかをラットを使用して検討した。ラットはサイアミラールナトリウム麻酔下にて下顎枝より末梢にて露出し、クロトン油の注入、又は電気刺激(1〜2msec、5V、30min〜60min)により持続的に刺激を与えることにより、c-fos蛋白発現細胞の検索を行った。又、迷走神経にも同様に、頚部迷走神経を刺激して検討した。 この結果として、三叉神経刺激により、延髄部にc-fos蛋白発現細胞を確認することがてきた。部位としては、主知覚核、孤束核、迷走神経背側核、ポストレーマ領域と種々の部位にc-fos蛋白発現細胞を確認できた。発現強度は、孤束核部、背側核部に強く発現していた。又、時間経過としては、刺激後0分、15分では発現が弱く、30分、60分後で強度にc-fos蛋白が発現した細胞を検出することができた。一方、迷走神経刺激では、c-fos蛋白発現細胞は孤束核、背側核、ポストレーマ領域、para-trigeminal nucleusなどやはり種々の部位において発現した細胞を確認した。この結果としてc-fos蛋白発現細胞が共通している部位としては、延髄の孤束核、ポストレーマ領野、迷走神経背側運動核があるが、三叉神経と迷走神経とでは、核内において、やや発現部位に差異がみられたが、三叉神経と迷走神経と細胞線維連絡の可能性としては、発現強度などから考えあわせると、孤束核、迷走神経背側運動核部にあると示唆された。脊髄部における検索では、時間、刺激強度の関係で、c-fos蛋白発現細胞を見出すことができず、今後の課題となった。又、上位中枢部での三叉神経と迷走神経と神経線維連絡については、時間経過のとりかたが短かったためか、c-fos蛋白発現細胞の確認が不明瞭となり、決定することはできなかった。
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