1992 Fiscal Year Annual Research Report
蝋型を埋没した際の鋳型の硬化膨張ならびに加熱膨張をそれぞれ検討する方法
Project/Area Number |
04671164
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大澤 雅博 長崎大学, 歯学部, 助教授 (90018862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 毅 長崎大学, 歯学部, 助手 (90244079)
久保 至誠 長崎大学, 歯学部, 講師 (80145268)
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Keywords | 鋳型の寸法変化 / 鋳型の加熱膨張 / 鋳型の硬化膨張 / 石膏系クリストバライト埋没材 / 減圧熱湯脱蝋法 / U-アロイ鋳造 / 裏装厚さ |
Research Abstract |
先ず,蝋型の埋没された鋳型の硬化膨張を検討する為に,減圧熱湯脱蝋法の鋳型の寸法変化に及ぼす影響を検討した。すなわち,同法により脱蝋後電気炉で加熱して調製したタイプIII金合金による試片と,通法により電気炉で脱蝋して調製した試片の寸法を比較したところ,両者間にほとんど差が認められなかった。従って,同法は鋳型の寸法変化にほとんど影響を及ぼさないことが確認された。次いで,鋳型の硬化膨張と裏装条件との関連を検討した。すなわち,0.8mm厚さのアスベスト系ライナ-を無裏装,1,2および3枚裏装(ワゼリン塗布)の条件とし,板状方形の蝋型を石膏系クリストバライト埋没材を用いて挿入埋没し、一日放置後に減圧熱湯脱蝋法により蝋型を除去した。半日乾燥後,融点47℃の特殊合金(U-アロイ)を鋳込んだ。その結果,無裏装鋳型ではリング壁方向では約0.7%の収縮であったが,反面リング解放方向では約0.6%の膨張が認められた。裏装枚数の増加に伴い,縦横方向共に膨張が増加したが,3枚裏装では2枚の場合と同程度であった。一般に用いられている2枚裏装の場合には,横方向で約0.5%の膨張であり,縦方向では約1%の膨張で縦方向の膨張が大きかった。加熱膨張に関しては無裏装鋳型ではリング横方向のそれは縦方向の半分程度しか発現していなかった。2枚裏装鋳型では縦横方向の加熱膨張はほぼ等しくなり,裏装の効果が確認され,加熱膨張量は約1.2%と推定された。鋳型内の温度分布の測定から,リング水平方向においては約50℃,縦方向では100℃の温度勾配が観察された。実験を通して,この温度勾配よりもさらに鋳型の異方性膨張に影響を与える因子として,応力解放の場(裏装材の合わせ目)の存在が示唆された。
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Research Products
(1 results)