1993 Fiscal Year Annual Research Report
生活歯髄切断後の覆髄剤としての粉末サンゴの組織学的研究
Project/Area Number |
04671176
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
井上 廣 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (50067047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 幸子 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (70239052)
古屋 和毅 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (30219125)
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Keywords | 生活歯髄切断 / Coral / 覆髄剤 / 電子顕微鏡 / Dentin Bridge / 水酸化カルシウム / Calcite / EDTA |
Research Abstract |
我々は天然の環境で生成されたCoral(サンゴ)粉末を犬・猫の歯牙を使用し生活歯髄切断後の直接覆髄剤として応用すべく実験をした。その結果以下の傾向が解った。 生活歯髄切断組織反応について1)Coral A,700℃で焼成したCoral Aともに1〜3週間経過においては、積極的に硬組織被蓋を形成する兆候は見られなかった。2)Coral A,700℃で焼成したCoral Aに接する歯髄組織に壊死層は見られなかった。3)Coral Aは5〜7週間経過において、硬組織による被蓋形成が約50%の率で認められた。 以上の研究結果の組織標本から700℃で焼成したCoralよりも未焼成Coralの方が被蓋硬組織の形成率が高かったので、本年度は、未焼成Coralの電顕試料作製とその一部試料の薄切、電顕観察と撮影を行った。その結果、未だ一部の試料のみの観察ではあるが、被蓋硬組織(Dentin Bridge)のpredentin odontoblast layer内にNerve terminal(Nerve ending)が多く見られ、更に有芯小胞と無芯小胞を多数含んだAdrenergicなNerve terminalの周囲には、束状のCollagen fiberの形成が著しく見られ、あたかもこれらの小胞が関与している如くに推察される像が散見された。特にpredentin内に見られる数珠玉状神経の出現は、硬組織の形成・修復の一役を担っているものと考えられる。今後は全試料の観察と、これらNerve terminalの出現がCoral特有か、あるいはCa(OH)_2単味の覆髄剤でも同様か、を究明したいと考えている。
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