1992 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病細菌の莢膜多糖抗原による歯槽骨吸収機構の解明
Project/Area Number |
04671177
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Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
西原 達次 国立予防衛生研究所, 口腔科学部, 主任研究官 (80192251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤田 弘正 国立予防衛生研究所, 口腔科学部, 主任研究官 (40072920)
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Keywords | 歯周病細菌 / 莢膜多糖抗原 / 炎症性骨吸収 / 若年性歯周炎 / 炎症性因子 / IL-1 / 6-デオキシヘキソース / リポ多糖 |
Research Abstract |
若年性歯周炎では歯周軟組織の炎症が軽微にもかかわらず著しい歯槽骨吸収が引き起こされる。この骨吸収は急激に悪化し、前歯および大臼歯が容易に動揺するようになる。これまで、我々の一連の研究の結果、若年性歯周炎の原因菌の1つと考えられいるActinobacilus actinomycetemcomitans(A.a.)由来のリポ多糖がIn vitroで強い骨吸収活性を有することを明らかにした。しかし、リポ多糖はグラム陰性桿菌全般に存在する表層成分であり、これを歯周炎に特徴的な炎症性骨吸収における特異的病原因子とするには無理がある。我々は、A.aの血清型abcの特異的莢膜多糖抗原の推定構造式を明らかにし、6-デオキヘキリースであることを報告した。細菌性多糖のなかでも、この多糖抗原の様な構造をもつものは少ない。そこで、我々は血清型bのA.a.Y4株由来の莢膜多糖抗原の骨吸収活性を骨器官培養を用いた実験系で調べたところ、明らかな活性の発現が認められた。歯周炎における炎症性骨吸収が歯周組織に限局されていることを考えると、この莢膜多糖が骨吸収を引き起こすという今回の結果は極めて興味深い。 現在、歯周炎で見られる歯周組織の破壊には、宿主細胞が産生する多様な炎症性因子が関与していると考えられている。なかでもIL-1はIn vivoおよびIn vitroで骨吸収を引き起こすとともに破骨細胞の分化を誘導することが知られている。今回の研究で、Y4株由来の多糖抗原がIL-1の産生を強く誘導するとともに骨吸収を引き起こすことが明らかとなり、このIL-1により骨吸収が惹起される可能性が強く示唆された。今後、莢膜多糖抗原による骨吸収活性発現のメカニズムの解明に関して詳細な検討を加えていく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ohsaki,Y.et.al.: "Evidence for an autocrine/paracrine role for interleukin-6 in bone resorption by giant cells from giant cell tumors of bone." Endocrinology. 131. 2229-2234 (1992)
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[Publications] Koga,T.et.al.: "The 64-kilodalton GroEL-like protein of Actinobacilus actinomycetemcomitans." J.Periodont.Res.