1994 Fiscal Year Annual Research Report
ラット三叉神経感覚系のCapsaicin感受性神経線維の投射様式と他線維との関連
Project/Area Number |
04671187
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小林 仁一 九州大学, 歯学部, 助手 (70136498)
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Keywords | C線維 / A線維 / 三叉神経脊髄路核尾側亜核 / 眼窩下神経 / 投射様式 / 興奮性アミノ酸(EAA) / Capsaicin / tetrodotoxin |
Research Abstract |
本研究では、ラット眼窩下神経(IOn)から三叉神経脊髄路核尾側亜核(Sp5C)へのA線維、C線維投射の局在部位の検索、同定及び各線維間の相互関係の追求を電気生理学的手法を用いて行うことを眼目としている。 A線維の投射に関しては、ほぼその局在部位は同定できたと考えているが、C線維の投射に関しては、未だ十分とはいえない。その原因として、C線維応答を選択的に取り出す困難性が指摘される。この点は、A線維、C線維の相互関係追求の際にも問題となってくる。本年度研究ではこの問題をクリアするため、各線維の第一次シナプスでのtransmitterのantagonistを用いる方法に変更した。しかしながら、A線維、C線維のtransmitter(AMPA/kainate,NMDA)のantagonist(CNQX,AP5)を電気泳動的に各部位に投与し、各componentを制御することは結果的には成功しなかった。 原因として以下の点が考えられる。(1)C線維のtransmissionにはNMDAのみならずneurokininも関与しているらしくNMDAのantagonistのみでは十分に抑制できなかった。(2)本年度研究では、IOn刺激に対するSp5C応答のEPSP(興奮性シナプス後電位)をfield potentialで記録したが、電気泳動的薬物投与は広い範囲のapplicationには適さず、比較的広い範囲の応答を記録するこの方法では、一部は抑制されても、その他の抑制されない大部分からの応答を拾うため、変化はほとんど認められないという結果になったと推測される。 そこで、現在これらの問題点を解決するため以下の方法を検討している。 (1)前年度良好な結果が得られなかったCapsaicin,TTX(tetrodotoxin)を用いる方法を改良して再度試みる。 (2)電気泳動的薬物投与は、single unit responseであれば十分に効果が得られると報告されている。したがって技術的には難しくなるが、本年度用いたfield potential記録に換えてsingle unit記録を用いる。
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