1992 Fiscal Year Annual Research Report
心拍変動の周波数解析を用いた高齢歯科患者循環用非侵襲モニターの開発
Project/Area Number |
04671218
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大渡 凡人 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80194322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 雅浩 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授
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Keywords | 心拍変動の周波数解析 / 自律神経 / 高齢者 / モニター |
Research Abstract |
平成4年度の研究計画は1.解析装置の構築、2.高齢患者の抜歯による心拍変動の変化について検討し、モニター製作のための基礎的データを蓄積する、であった。 ■周波数解析装置の構築 ハードウエアでは実時間処理を可能にする目的でパーソナルコンピュータPC9801に高速パイプラインアレイプロセッサボードFLASHI16および副演算素子IC 80287を加え、処理速度の向上をはかった。ソフトウエアはRR間隔算出用と周波数解析用に2種を製作した。現時点では一応の解析は可能であるが、処理速度などで問題点があり検討中である。 ■高齢者患者の抜歯時の心拍変動の変化についての検討 (1)循環器系合併疾患により1.高血圧症、2.心筋梗塞、3.狭心症、4.心不全、5.その他の5群に分類して、抜歯前後の心拍変動のパワースペクトルについて検討したが、高血圧症および心筋梗塞患者では他の群に比較して、低周波数成分が優位な傾向が認められた。 (2)加齢による副交感神経緊張の変化を明らかにする目的で年齢により2群に分けて比較したが、明かな違いは目下のところ得られていない。 (3)局所麻酔により低周波数成分が増加する傾向があるが、一定しない。 (4)浸潤麻酔や抜歯によりSTに変化が認められる群では低周波数成分にも変動があると考えているが、今のところ一定した傾向がない。 (5)循環系合併症は今のところ発生していない。 以上のように現時点では一定の傾向が得られていないが、解析精度向上と処理時間短縮による例数の増加により特定の傾向を見いだすべく、現在研究中である。
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