1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04671219
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
伊藤 寿介 新潟大学, 歯学部, 教授 (50018371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 俊一 新潟大学, 歯学部, 助手 (70143790)
足利谷 美砂 新潟大学, 歯学部, 助手 (70212496)
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Keywords | MRS / 顎顔面領域腫瘍 / ハムスター頬粘膜腫瘍 |
Research Abstract |
本研究について今年度は、ハムスター頬粘膜腫瘍のMRS測定については、主に腫瘍周辺組織からの信号混入や頬部の固定方法について昨年度生じた問題点に対して測定精度の向上のための技術の開発を試みた。尚、変更点として、当初計画では、新潟大学医学部附属病院に設置のSIEMENS社 MAGNETON H15を用いて臨床例である顎・顔面領域腫瘍患者のMRS測定も予定していたが、現在の装置では3×3×3cm以上の大きさの腫瘍しか測定できず、これに合致した患者に遭遇しなかったため、残念ながら今年度までに臨床例のデータは得られなかった。臨床例の検索には装置の改良が必要であると思われる。動物実験については、現在までに以下のような事が行われた。Syrian golden hamster 30匹(8週雄・100g)の内、5匹をコントロール群とし、15匹の頬粘膜にDMBAの0.5%アセトン溶液塗布、歯科用クレンザーで擦過(藤田ら(1972)の方法)、残りの10匹には本学口腔外科から分与された腫瘍株(大竹ら(1990)によって樹立されたリンパ節転移率90%以上のもの)を移植した。DMBAを塗布した15匹は全例で現在発癌傾向を示し、腫瘍株を移植した10匹中7匹は腫瘍が平均約300mm^3に増殖、内5匹で臨床的にリンパ節転移と思われるリンパ節の腫張が見られている。MRSの測定に関しては体積約850mm^3以下の腫瘍の場合、腫瘍周辺組織からの信号混入が考えられるため、測定精度向上のためT.C.Ngら(1982)が報告し、大久保ら(1990)が改良したファラデーシールドをハムスター頬粘膜腫瘍用に種々の大きさのものを作成、頬部の固定には歯科用材料を利用し作成した固定器具を用いて、頬のうを裏返し固定する事とした。今後は実際に種々の大きさのハムスター頬部腫瘍に対してMRS測定を行い、経時的変化を追跡する予定である。
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