1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04671223
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 憲 大阪大学, 歯学部・付属病院, 講師 (20127301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淨徳 佳之 大阪大学, 歯学部・付属病院, 医員
大西 徹郎 大阪大学, 歯学部・付属病院, 医員
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Keywords | モルヒネ / 耐性 / 交叉耐性 / カルシウム / カルシウムチャネル |
Research Abstract |
我々は平成4年度の研究においてα_2アゴニストであるクロニジンはそれ自身で鎮痛作用を有すること、またクロニジンはモルヒネと交差耐性を示すことを示した。このことから両者の耐性形成メカニズムには共通の機構が存在することが予想されたため平成5年度は以下の実験を行った。(1)L、N型カルシウムチャネルに結合する^3H-PN-200-110、^<125>I-ω-コノトキシンのマウス大脳皮質膜分画への結合実験を行った。その結果、L型カルシウムチャネルのリガンドである^3H-PN-200-110の結合はモルヒネ慢性投与後には有意に増加するのに対し、クロニジン慢性投与後には逆に有意に減少した。一方、N型カルシウムチャネルのリガンドである^<125>I-ω-コノトキシンの結合はモルヒネ、クロニジンいずれの漫性投与後にも有意に増加した。(2)ICRマウスを用いた酢酸writhing法による鎮痛効果判定実験によりN型カルシウムチャネルを抑制することによりω-コノトキシン(脳室内投与)が鎮痛作用を有すること、モルヒネ慢性投与を行うとω-コノトキシンの鎮痛作用は減弱することが明らかになった。この結果よりモルヒネとクロニジンの耐性形成機構にはN型カルシウムチャネルを中心とした共通の機構の存在が示唆された。(3)次にマウス大脳皮質膜分画を用いた^<125>I-ω-コノトキシン結合部位の可視化実験を行った。その結果対照群において分子量220-300KDa部位の特異的な結合が観察されたが、モルヒネ及びクロニジンの漫性投与後のマウスにおいては同部位のAutoradiography像の増強が認められた。以上の結果よりモルヒネ、クロニジンの交差耐性、特に鎮痛作用に関する薬剤耐性においてはN型カルシウムチャネルの関与が大きな役割をもつことがあきらかになった。
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[Publications] Y.Uchida: "Antagonism by glibenclamide of the effect of morphine in hippocampal preparations" Neurosci.Lett.162. 114-116 (1993)
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[Publications] M.Suematsu: "Effect of prolonged administration of clonidine on morphine-induced analgesia and 3H-PN-200..." Neurosci.Lett.163. 193-196 (1993)