1992 Fiscal Year Annual Research Report
舌移植腫瘍に対するPerfluorechemicalsの放射線増感効果
Project/Area Number |
04671226
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岸 幹二 岡山大学, 歯学部, 教授 (30033202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越智 悟 岡山大学, 歯学部附属病院, 助手 (00233560)
上村 勝人 岡山大学, 歯学部, 助手 (20223505)
中津 継夫 岡山大学, 歯学部附属病院, 講師 (40188983)
秋田 和俊 岡山大学, 歯学部, 助手 (10167835)
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Keywords | perfluorochemicals / 放射線照射 / Ehrlich腹水癌 |
Research Abstract |
perfluorochemicalsであるFC‐43、抗癌剤Mytomycin CをddY系マウスの尾静脈より濃度を変えて注入し、LD_<50>を求めた。また、各濃度における肝、脾、腎のHE染色による観察を行った。照射実験として、マウスの舌に対して対数増殖期にあるEhrlich腹水癌細胞を55万個移植し、腫瘍体積が約1000mm^3に達した時点で次の各群に分けて放射線20Gy1回照射(X線:線量率0.66Gy/min)を行い、腫瘍体積変化と生存率を観察した。 第1群:非処置群(対照群)、第2群:照射のみ施行、第3群:FC‐43を20ml/Kg投与後、100%O_2存在下で照射を施行、第4群:FC‐43を20ml/kg、Mytomycin Cを0.03mg/kg投与後、100%0_2存在下で照射を施行 LD_<50>はFC‐43において90ml/kg、Mytomycinにおいて0.10mg/kgであった。FC‐43の毒性症状として眼球突出、立毛が、剖検所見として肝、脾の腫大が認められたが、生存群ではこれら所見は認められなかった。 組織学的検索:FC‐43投与群では、20ml/kgより肝において軽度の空胞細胞出現がみられたが、変性として認められるのは60ml/kg以上であった。脾、腎ではいずれの濃度でも異常は認められなかった。 照射実験:腫瘍体積変化の測定の結果、第1群と比較した Tumor growth delay(腫瘍発育の遅れ)は、第2群において、約7日であり、第3群と4群はともに約9日であった。 照射実験後の死亡による半減日数は、第1群で14‐15日、第2群で22‐24日、第3、第4群で27‐28日であった。 移植Ehrlich癌細胞に対する放射線照射による発育抑制効果は、有意に認められ、FC‐43によるその増強効果はやや認められる傾向にあったが、Mytomycin Cを付加した場合の効果は、今回の実験では、認められなかった。現在、さらに条件を改善して、照射実験を進行中であり、細胞単位での検討を行うため、in vitroにおける培養実験を施行中である。
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