1993 Fiscal Year Annual Research Report
モルモット分離肝細胞におよぼす揮発性吸入麻酔薬の影響
Project/Area Number |
04671227
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
河原 道夫 広島大学, 歯学部・附属病院, 教授 (30034094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
絹川 裕史 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (00177883)
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Keywords | モルモット / 分離肝細胞 / ハロセン / 細胞内Ca^<2+>濃度 |
Research Abstract |
タンパク分解酵素潅流法により、モルモット肝から分離肝細胞を作製した。分離肝細胞浮遊液にFura-2AMを負荷したのち、蛍光強度比により、細胞内Ca^<2+>濃度を測定した。ハロセンは1,3,5,10MACに相当する量を注入した。また、トリパンブルー染色を肝細胞分離後、Fura-2AM負荷後、ハロセン注入後に行ない、肝細胞の生存率を評価した。 その結果、(1)静止期肝細胞内Ca^<2+>濃度は約150nMであり、細胞生存率は86.5%であった。(2)ハロセン添加により、細胞内Ca^<2+>濃度はハロセン濃度依存性に増加し、肝細胞生存率はハロセン濃度依存性に低下した。 つまり、ハロセンによって細胞内Ca^<2+>濃度は上昇し、しかも、その上昇と細胞生存率の低下には相関関係がみられ、ハロセン濃度依存性に肝傷害の生じることが明らかになった。 次に、この原因を明らかにするため、Ca^<2+>無添加の培養液を用いて、上記と同様の実験を行なった。 その結果、(1)静止期肝細胞内Ca^<2+>濃度は約280nMであり、細胞生存率は59.8%であった。(2)ハロセン添加により、細胞内Ca^<2+>濃度肝細胞生存率はハロセン濃度依存性に低下した。 以上より、ハロセンによる肝細胞内Ca^<2+>濃度の上昇は、肝細胞膜がハロセンにより傷害を受けたために生じることが明らかになった。
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[Publications] 絹川裕史: "肝細胞内Ca^<2+>動態におよぼすハロセンの影響" 麻酔と蘇生 第29巻別冊第30号麻酔薬代謝と臓器障害. XIV. 17-19 (1993)
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[Publications] H.Kinugawa: "Halothane-induced cytotoxicity in isolated rat hepatocytes:An electron microscopic study" IN VIVO. 7(6A)(掲載予定). (1993)