1993 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌に対する免疫化学法の効果発現に関する基礎的ならびに臨床的研究
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04671237
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
平塚 博義 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50165180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 晃 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10210353)
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Keywords | 口腔癌 / 免疫化学療法 / 効果発現因子 / DNAパターン / 間質コラーゲン |
Research Abstract |
1.癌細胞核DNA量と免疫化学療法効果との関係:顕微蛍光測光法により癌細胞核DNA量を測定し、得られたDNAヒストグラムをその分散幅とモードの位置からP-I(diploid pattern)、P-II(hyperdiploid pattern)、P-III(narrow aneuploid pattern)、P-IV(wide aneuploid pattern)の4型に分類すると、術前免疫化学療法(CDDP80mg静注、BLM 45mg静注、OK432 5〜7KE筋注)効果の臨床効果からみた有効例はP-I、IIの癌では61.5%(8/13)、P-III、IVの癌では23.0%(3/13)であり免疫化学療法とDNAパターンは密接な関連性を示した(P<0.05)。2.癌組織内コラーゲンの分布と免疫化学療法効果との関係:基底膜の構成成分であるIV、VII型コラーゲンの分布様式を41例について検討し、以下の3群に分類しえた。A群:癌胞巣に連続生の線状反応が認められるもの、B群:線状反応に断裂がみられ、胞巣周囲、胞巣内にCD3陽性Tリンパ球の浸潤が認められるもの、C群:線状反応の断裂、消失が認められるものの胞巣内外にCD3陽性Tリンパ球の浸潤が認められないもの。術前免疫化学療法による各群の下里分類IIb以上の有効例は、A群:71.4%(5/7)、B群:71.4%(10/14)、C群:10.0%(2/20)であった。一方、I、III、V、VI型コラーゲンは癌組織内間質に発現したが、A群:間質コラーゲンの染色程度が強く、CD3陽性Tリンパ球浸潤の程度が弱いもの、B群:Tリンパ球浸潤の浸潤が強く間質コラーゲンの染色程度が弱いもの、C群:間質コラーゲン、Tリンパ球浸潤ともに弱いものの3群に分類すると同様の有効例は、A群:40.0%(2/5)、B群:58.3%(14/24)、C群:8.3%(1/12)であった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Noguchi,M.: "Clinical Significance of Laminin Deposition and T-cell Infiltration in Oral Cancer" HEAD&NECK. 15. 125-132 (1993)
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[Publications] 宮川 明: "口腔癌の潜在性頚部リンパ節転移に関する臨床的、病理組織学的研究" 札幌医誌. 62. 43-53 (1993)