1993 Fiscal Year Annual Research Report
特異的抗腫瘍効果を期待した放射線療法との併用による新しい養子免疫療法の確立
Project/Area Number |
04671246
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
小瀬 晃 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (70215268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松澤 修司 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (70229459)
松本 剛一 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (60199867)
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Keywords | MHCclassI抗原 / LAK感受性 / 放射線 / インターフェロンgamma |
Research Abstract |
これまで放射線照射による標的細胞上MHCclassI抗原の発現増強について検索してきたが、放射線照射(1回照射・5〜10Gy)において標的細胞上MHCclassI抗原の発現増強が確認された。またBRMであり放射線照射照射同様、標的細胞上MHCclassI抗原発現増強作用をもつインターフェロンgammaの添加培養についても標的細胞上、MHCclassI抗原発現増強が確認された(添加濃度100〜500ユニット)。さらに放射線照射とインターフェロンgamma添加培養の併用では各々の単独に比べ標的細胞上MHCclassI抗原増強が強いことが確認された。このMHCclassI抗原増強をうけた標的細胞のうち口腔底扁平上皮癌由来細胞株KB細胞についてNK細胞およびLAK細胞からの細胞障害活性感受性について検索したところ、MHCclassI抗原発現増強の最も強かった放射線、インターフェロンgamma併用群では未処理群に比べ、LAK感受性の低下が観察された。また放射線単独群とインターフェロンgamma単独群についても併用投与群より弱いがLAK感受性の低下が観察された。NK感受性については未処理群、処理群とも非感受性であった。今回のアロジェニックの系でのLAK活性において実験結果は、癌治療という点から考えると放射線照射およびインターフェロンgamma処理によるMHCclassI抗原への影響がマイナスに働く可能性が示唆された。しかしMHCclassI抗原増強はCTLの誘導および細胞障害活性発現については有利に働く可能性が高く、今後、ヒトのalloCTLの系あるいはマウスのautoCTLの系で放射線照射およびインターフェロンgamma処理によるMHCclassI抗原発現増強が細胞障害活性に与える影響を検索するとともに、酸処理による標的細胞上MHCclassI抗原除去を行い、LAK感受性およびCTL感受性に与える影響と癌治療における意味を考えたい。
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