1992 Fiscal Year Annual Research Report
骨代用材補填時における病巣の有無に関する実験的研究
Project/Area Number |
04671252
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
若江 秀敏 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (70084283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大賀 康麿 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (70233054)
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Keywords | 骨代用材 / 慢性根尖病巣 / 組織親和性 / 接合過程 / 電顕的観察 / 形態学的研究 |
Research Abstract |
骨代用材を根尖病巣が残存した抜歯窩に補填応用した場合の経日的な骨代用材と病的組織との親和性、母床骨への影響、さらに、骨の再生について検索し、形態学的に骨代用材と生体との接合過程について検討を行っている。長期間について経過観察中で、現在まで得られた結果は下記の通りである。 1.光顕所見では対照郡・補填郡ともに線維性結合組織の増生は良好であるが、新生骨の形成状態を対照郡と比較してみると、補填群は窩底からの新生骨梁の形成が遅延傾向みられた。各種補填群と比較すると、HAP、β-TCP補填群の方がAl_2O_3補填群よりも新生骨梁の形成が良好であった。対照群、補填群ともに炎症性病巣部の細胞浸潤は時間の経過とともに減少していた。 2.電顕所見においては対照群、補填群ともに細胞成分の豊富な線維性結合組織から経日的に黄紋様構造を有する密な膠原繊維の増生が著明である。線維性結合組織の形成状態を各種補填群と比較してみるとHAP、β-TCPでは不規則な配列状態を示し、フィブリン様線維が補填物表面に付着しているが、Al_2O_3では規則性を有する線維性結合組織が異物を取り囲む状態で補填材周囲にみられた。炎症性細胞の浸潤については対照群、補填群ともにリンパ球、形質細胞などが多くみられたが、膠原繊維の増生とともに減少傾向を示した。 以上、慢性根尖病巣の残存する骨欠損部へ骨代用材を応用した場合、炎症病巣の強弱、大きさ、個体差、術式、術後の管理などを考慮しなければならない。今後は長期間における比較検討ならびに根尖病巣を有する歯牙の歯根端切除術を行い、病巣を一部残存した骨腔へ骨代用材を補填した状態を試みる予定である。
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