1992 Fiscal Year Annual Research Report
培養下顎頭軟骨細胞の最終分化および石灰化機構に関する研究
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04671262
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 博之 大阪大学, 歯学部, 助手 (90167271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
開 祐司 大阪大学, 歯学部, 講師 (40144498)
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Keywords | 下顎頭軟骨細胞 / タイプIコラーゲン / タイプIIコラーゲン / タイプXコラーゲン / アルカリフォスファターゼ / オステオネクチン / オステオポンチン |
Research Abstract |
下顎頭軟骨細胞をコラーゲンコートした24穴ディシュに10^4個播種し、FGF(0.4ng/ml)存在する培地中で培養すると、5日目でコンフルエントに達した。コンフルエントの後、下顎頭軟骨細胞のアルカリフォスファターゼ活性は上昇し、培養15日目で最大となりその後アルカリフォスファターゼ活性は減少した。また、下顎頭軟骨細胞をアリザリンレッドで染色すると培養14日目から基質が染色されはじめ、下顎頭軟骨細胞の培養とともに石灰化が亢進していることが確認された。下顎頭軟骨細胞のアルカリフォスファターゼ活性は、FGFによって抑制されたが、培地からFGFを取り除くと、下顎頭軟骨細胞のアルカリフォスファターゼ活性は、経時的に増加した。軟骨細胞としての特徴であるタイプIIコラーゲンのmRNA発現をノーザンブロッティングで調べると、培養7日目に多く発現しその後減少するのに対して、タイプIコラーゲンのmRNA発現は、培養12日目に多く発現した。また、軟骨細胞の形態的変化を、走査型電子顕微鏡にて検討すると、培養の初期にタイプIIコラーゲンとタイプIコラーゲンが混在した状態が確認された。以上の結果から、下顎頭軟骨細胞は、培養初期には軟骨細胞としての性質を持っているが、培養を続けると骨芽細胞の性質を発現することが明かとなった。現在、タイプXコラーゲン遺伝子、骨のマーカー遺伝子であるアルカリフォスファターゼ、オステオポンチン、オステオネクチン、オステオカルシンのmRNAの発現を、アルカリフォスファターゼ、オステオポンチン、オステオネクチン、オステオカルシンのcDNAを用いてノーザンブロット法で検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.INOUE,O.NAKAMURA,Y.DUAN,Y.HIRAKI,M.SAKUDA: "Effect of centrifugal force on growth of mouse osteoblastic MC3T3-E1 cells in vitro" J.Dent.Res.Accepted. (1993)
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[Publications] M.SAKUDA,K.TANNE,K.YOSHIDA H.INOUE,H.OHMAE,M.TSUCHIYA S.ADACHI,K.NAKAGAWA,Y.INOUE: "Integrated information-processing system in clinical orthodontics:An approach with use of a computer network system." Am.J.Dentfac.Orthop.101. 210-220 (1992)