1993 Fiscal Year Annual Research Report
培養下顎頭軟骨細胞の最終分化及び石灰化機構に関する研究
Project/Area Number |
04671262
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中川 浩一 大阪大学, 歯学部, 助手 (60227741)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
開 祐司 大阪大学, 歯学部, 講師 (40144498)
井上 博之 大阪大学, 歯学部, 講師 (90167271)
|
Keywords | 下顎頭軟骨細胞 / I型コラーゲン / II型コラーゲン / X型コラーゲン / アルカリフォスファターゼ / オステオネクチン / オステオポンチン |
Research Abstract |
本年度は、下顎頭軟骨培養細胞の分化形質について、以下のような主に形態学的な実験結果が得られた。 光顕所見:下顎頭軟骨細胞は培養6日目では、偏平な細胞形態をとっているが、培養10日目では軟骨細胞に特有な円形の形態へと変化した。その後、細胞は軟骨基質を大量に分泌して、培養16日以降で肥大化が見られた。AB染色では、培養13日まで経時的に染色性が亢進したが、その後、染色性は低下した。培養34日で、また染色性が亢進した。AR染色では、培養16日から経時的に染色性が亢進し、培養27日以降では、ほとんどの細胞基質が赤く濃染色された。 電顕所見:培養1週間では細胞周囲腔に多量のI型コラーゲン繊維を認める一方、領域間基質としてII型コラーゲンを有する細胞を認めた。培養2週間では初期石灰化像が観察された。培養4週間までの観察では、細胞の肥大化が認められたが、全培養期間を通じて典型的な軟骨細胞の形態を呈していた。 ALPase活性:FGF存在下で培養すると、ALPase活性は低い値のままであった。コンフルエントに達した培養5日目に、培地からFGFを除くとALP活性は上昇した。その後、ALPase活性は培養15日で最大になり以後減少した。 ノーザンブロット法:I型コラーゲンmRNAの発現は培養と共に上昇して12日目に最大となった。II型コラーゲンとALPaseのmRNAの発現は培養7日目で最大を示し、以後減少した。X型コラーゲン、osteopontin、osteocalcinの発現は、培養期間中には認められなかった。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Y.Duan: "Changes in bone formation during experimental tooth movement after the denervation of rabbit inferior alveolar nerve." J.Osaka Univ.Dent.Sch.33(発表予定). (1994)
-
[Publications] H.Inoue: "Effect of centrifugal force on growth of mouse osteoblastic MC3T3-E1 cells in vitro." J.Dent.Res.72. 1351-1355 (1993)
-
[Publications] 恵周一郎: "下顎頭軟骨細胞の分化形質と分化転換" 日本骨代謝学会雑誌. 11. 201 (1993)
-
[Publications] M.Sakuda: "Integrated information-processing system in clinical orthodontics:An approach with use of a computer network system." Am.J.Dentfac.Orthop.101. 210-220 (1993)
-
[Publications] 田中栄二: "上顎第二大臼歯の遠心移動を行なった叢生の2治療例について" 矯正臨床ジャーナル. 8. 51-61 (1992)