1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04671271
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
古山 公英 昭和大学, 歯学部, 講師 (10119191)
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Keywords | フッ素 / 有機フッ素化合物 / 硬組織 / 動物実験 / 動態 |
Research Abstract |
生体内で遊離されるフッ素(F)の動態については吸入麻酔薬や無機Fの研究に比べ,医薬品や食品などの有機F化合物についての研究は少ない。この研究では低F飼料条件下で有機F化合物の経口投与実験を行い,血漿および硬・軟組織中のF濃度の変化を検討した。また同時にNaF投与実験も行い比較した。 『実験』1.ラットへのF投与:(1)動物実験;SD系雄ラット3週齢,4週間の予備飼育後,投与4週間。屠殺は,購入時,予備飼育後および投与終了後に行った。(2)飼料および群;通常飼料群(飼料中F=27ppm,F無投与)と低F飼料群{飼料中F=0.5ppm,F無投与(Cont.,CMC),F投与(DF,NaF)}。(3)投与試薬;難水溶性の医薬品Diflunisal(DF)を0.5%CMC溶液に懸濁。(4)投与量;DFおよびNaF共に1.0mgF/Kg・wt/dayを1日1回強制経口投与。 『結果』1.血漿中ionic F濃度:1日のF摂取量が同じであるDF群とNaF群ではDF群が有意に低い値を示し,F無投与群と同濃度で有機F投与によって血漿中のionic Fの上昇は認められなかった。また,NaF群と通常飼料群では,共にF無投与群と比べ有意に高値を示したが,両群の間では1日のF摂取量が約1/2量の差があるにも拘らず有意差は見られなかった。2.硬組織(大腿骨,切歯)中ionic F濃度:硬組織中のionic F濃度は,血漿中ionic F濃度と同様の傾向を示し,血漿中のionic F量と硬組織中のionic F濃度が関連する事が示唆された。3.F無投与群の血漿および硬組織中ionic F濃度の推移:通常飼料での飼育では血漿および硬組織中にionic Fの増加を認めた。しかし,低F飼料での飼育では飼育開始時に比べ血漿および硬組織中のionic F濃度は低く,低F飼料での飼育が血漿などの組織中のionic F濃度を減少させる事が示唆された。また,F無投与の場合での微量な差を把握できる事も示唆された。なお,軟組織中のF濃度については現在検討中である。
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Research Products
(1 results)