1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04671284
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤本 治宏 千葉大学, 薬学部, 助教授 (50089603)
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Keywords | キハツタケ / キノコ代謝産物 / 免疫抑制物質 / 担子菌 / ゲラニルフェノール / flavidulol / ウチワタケ / ergosterol peroxide |
Research Abstract |
コンカナバリンA(Con A)やリポポリサッカライド(LPS)をマイトゲンとして増殖させたマウス脾臓リンパ球に対する抑制活性を指標に行った免疫抑制活性の検索で活性を示した約10種の担子菌中、LF-1と仮称した活性成分の単離に成功したキハツタケLactarius flavidulusにつき、更に活性成分の探索を目指した。又、LF-1の活性発現に必要な構造要因の解明を目指した。更に、同様に活性を示したウチワタケMicroporus flabelliformisについても活性本体の単離を目指した。 1.キハツタケの免疫抑制活性成分について リンパ球増殖抑制活性成分LF-1は、以前、同菌から抗菌性物質として得られていたゲラニルフェノールの一種であるflavidulol Aに一致することが判明した。又、LF-1に続いて、LF-2、-3と仮称した活性成分を単離し、これらが以前同菌から得られていたflavidulol B、Cにそれぞれ一致することが判明した。flavidulol A、B、Cが免疫抑制活性成分として単離されたのは今回が最初である。flavidulol A、B、Cのリンパ球50%抑制濃度(IC_<50>)はCon A誘導増殖に対し8.9、4.9、36.3μg/ml、LPS誘導増殖に対し6.7、3.9、28.3μg/mlでそれぞれあった。LF-1はヒトKB細胞に対しては抑制活性を示さなかったので、LF-1のリンパ球増殖抑性活性は細胞特異性を有している。LF-1を化学反応により数種の誘導体に導いて、それらのリンパ球増殖抑制活性を測定し、LF-1のそれと比較した結果、LF-1の活性発現に必要な構造要因を明らかにした。 2.ウチワタケの免疫抑制活性成分について 活性成分としてMF-1、-2と仮称した成分を単離し、それぞれがergosterol peroxide、q(11)-dehydroergosterol peroxideに一致することを明らかにした。ergosterol peroxideについては既に(1989年)免疫抑制活性が知られている。
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