1992 Fiscal Year Annual Research Report
機能性複素環N-オキシドによる生体物質及び外来物質の光酸化反応
Project/Area Number |
04671297
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
牧 敬文 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00082959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北出 幸夫 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (20137061)
酒向 孫市 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (10137060)
広田 耕作 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (90082982)
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Keywords | 機能性複素環N-オキシド / 光酸化反応 / 水酸ラジカル / 一電子移動反応 / DNA鎖切断反応 / プリンヌクレオシド |
Research Abstract |
本研究者等は特異な構造環境を有する複素環N-オキシド、ピリミド-[5.4-g]プテリジンテトロンN-オキシド(PPO),が従来研究されてきたN-オキシド類とは異なる機構で効率良く基質を光酸化することを示してきた。本研究では主に生体物質としてヌクレオシド及びDNAを対象とし、PPOによる光酸化反応を詳細に検討した。脂溶性PPOによるヌクレオシドの光酸化反応における置換基効果や溶媒効果を調べ、特にプリンヌクレオシドから生ずるプリンラジカルカチオンの化学的性質に知見を得ると同時にアルコール溶媒中でのPPOの光分解は水酸ラジカルを発生し、ヌクレオシドを酸化することを見い出した。この結果は、水溶性PPOを合成して水中での光分解を行えば効率の良い水酸ラジカル発生法となり得ることを示唆している。 脂溶性PPOの合成法を用いて水溶性PPOを合成し、水中での光分解を詳細に検討した結果、予期した通り、一分子の水溶性PPOから二分子の水酸ラジカルがほぼ定量的に発生することがESRスピントラッピング法及びBabb'sの定量法で確かめることができた。この光化学的水酸ラジカル発生法を用いてヌクレオシドとの反応、さらにDNA鎖切断反応を調べたところ、水溶性PPOを用いるスーパーユイルDNAの切断は極めて効率良く惹起し、2μMのPPO濃度でほぼ完全なFormIからFormIIへの変換が見られた。この知見に基づく水溶性PPOを用いる放射線あるいは光力学的癌療法の開発研究は今後に大きな期待がかけられる。また、蛋白、脂質あるいは医薬品に対する脂溶性及び水溶性PPOを用いる光酸化反応の研究も続行中で、PPOの光化学を活性酸素種のモデルと促えて展開している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Magoichi Sako: "N^6-Substitueut Effect on the Photooxidation of 2',3'-O-Isopropylideneadenosines with a Pyrimido〔5.4-g〕pferidinetefrone N-Oxide" J.Chem.Soc.,Perkin Trans.I. 1801-1805 (1992)
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[Publications] Yoshifumi Maki: "Distinct Solvent-Dependence in the Photoreafious of Purine Nucleosides with Pyrimido〔5.4-g〕pferidinetefrone N-Oxide" Heterocycles. (1993)
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[Publications] Magoichi Sako: "Facile Generation of Hydroxyl Radical by Photolysis of Pyrimido〔5.4-g〕pferidinetefrone N-Oxides in Aqueous Solution" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.(1993)