1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04671300
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
榊原 仁作 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (70080182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永津 明人 (中村 明人) 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (70244572)
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Keywords | Phormiclium tenue / モノガラクトシルジアシルグリセロール / ジガラクトシルジアシルグリセロール / 抗発癌プロモーション活性 / Anabaena flos aquae f.-flos aquae / 9R-ヒドロキシ脂肪酸 |
Research Abstract |
著者らは各種藻類の抽出物の抗発癌プロモーション活性、抗酸化活性等を調べ、活性があったものについて分離を進めた結果、藍藻Phormidiumtenueより抗発癌プロモーション活性成分としてモノガラクトシルジアシルグリセロール(MGDG)とジガラクトシルジアシルグリセロール(DGDG)を分離した。これらの化合物をアシル基の組成が単一のものになるまで精製、単離をすすめ、それぞれのin vitroでの活性を調べた結果、NGDG、DGDGとも二重結合の多い脂肪酸を持つ化合物と、Sn-2位にミリスチン酸を持つ化合物の活性が大きいことが判明した。またDGDGには細胞毒性がなく、in vivoの活性試験でも抗発癌プロモーション活性が確認できた。この点については現在投稿準備中である。 脂質成分には種々の生物活性が見出せることから、各種藻類に特殊な脂質が含まれていないか検索を行ったところ、窒素固定藍藻Anabaenaflos aquae f.-flos aquae中に他の藻類には含有されない化合物が含有されていることが判明した。これを単離したところ、2種のヒドロキシ脂肪酸であることが判明した。各種スペクトルを駆使してその構造を解明した結果、9位水酸基が今まで天然から単離されたものの配置とは逆のR配置の(10E、12Z、15Z)-9R-hydroxyoctadecatricnoic acidと(10E、12Z)-9R-hydroxyoctadienoic acidであることがわかった。9R-ヒドロキシ脂肪酸を天然より初めて単離した例であり、これはLipids誌に論文として公表した。 尚現在、各種藻類より抗発癌プロモーション、抗HIV-I、抗菌活性等を指標に化合物の単離を進めている。また新規脂質類の探索も同時に行っている。
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[Publications] N.Murakami,H.Shirahashi,A.Nagatsu,J.Sakakibara: "Two unsaturated 9R-hydroxy fatty acids from the Cyanobacterium Anabaena flos-aquae f.flos-aquae" Lipids.27. 776-778 (1992)