1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04671303
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
濱田 康正 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (90117846)
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Keywords | 環境ペプチド / トロンビン阻害物質 / サイクロテオナマイド / E-ビニル-γ-アミノ酸 / γ-ケト-β-アミノ酸 |
Research Abstract |
海洋生物から発見単離された生理活性ペプチド類の合成研究の一環として、強いトロンビン阻害活性を示す環状ペプチド、サイクロテオナマイド類の全合成を計画した。 1、構成異常アミノ酸の合成 1-1、E-ビニル-αのアミノ酸の新合成法の開発 E-ビニル-α-アミノ酸類はこれ迄天然から得られた例はなく、このためその合成法はほとんど知られていない。我々はα-アミノ酸からα-アミノアルデヒド類を得る簡便な合成法を開発しているので、これの発展としてE-ビニル-α-アミノ酸類の合成を考えた。α-アミノアルコールをピリジン-三酸化イオウ錯体を用いるジメチルスルホキシド酸化に付しα-アミノアルデヒドとし、この反応溶液に相当するホスホランを加えることで、E-ビニル-α-アミノ酸類を立体選択的に合成することに成功した。 1-2、α-ケト-β-アミノ酸類の合成法 α-ケト-β-アミノ酸と合成的に等価なα-ヒドロキシ-β-アミノ酸の合成を行なった。また、相当するアミノ酸はアルギニンであるが、これと合成的に等価なオルニチンを出発物質として用いた。これからα-アミノアルデヒドを得、これにフランのリチオ体を付加させた。フラン基はカルボキシル基等価体であるので、これを四酸化ルテニウム酸化に付し、望みの誘導体を得た。 2、環状ペプチド骨格の構築 目的の環状ペプチドは5種のアミノ酸から成っている。最終的な閉環反応の位置は、プロリンをC末端、上のオルニチンから誘導したアミノ酸をN末端とした。相当する鎖状前駆体を得、閉環反応を検討している。
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