1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04671308
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大沢 昭緒 昭和大学, 薬学部, 教授 (00102369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 健太郎 昭和大学, 薬学部, 講師 (50159208)
永田 和弘 昭和大学, 薬学部, 助手 (20208010)
岡田 真弥子 昭和大学, 薬学部, 助手 (10185449)
伊藤 喬 昭和大学, 薬学部, 助教授 (40159885)
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Keywords | 1,2,3-トリアジン / 1,2,3,4-テトラジン / 含窒素芳香族 / 分子軌道法 / 活性酸素 |
Research Abstract |
多窒素隣接環状共役化合物は芳香族化合物であるにも拘らず、モノアジンやジアジン類と比べ不安定である。しかしこれらの化合物は構造的にも電子密度の点からも、有用性の極めて高いピリジン類やピリミジン類と緊密な類似性を有しており、その合成法及び物性の検討は意義あることと考えられる。我々は、アミノアゾール類の酸化により中間体としてN-ナイトレンを経由する、多窒素芳香族六員環化合物の合成を試み、1,2,3-トリアジン及び1,2,3,4-テトラジンの合成に成功した。しかしながら、収率あるいは置換基のバリエーションの点で不満足な例も多く、引続き、酸化条件の検討を行なっている。1,2,3-トリアジンに関しては、過ヨウ素酸酸化により無置換トリアジンについても収率良く合成することが可能となった。1,2,3,4-テトラジンに関しては、縮環系アミノトリアゾールを用いることにより合成に成功したが、単環系テトラジンの合成は未だ成されていない。合成を行なうに当って、標的化合物が安定に存在しうるか否かを予測しておくことが必要となり、分子軌道法による考察を行なった。テトラジンの環開裂パターンをいくつか想定し、それぞれについて反応の進行に要する活性化エネルギーを求めたところ、協奏的な環開裂ではなく、ラジカル的かつ段階的に開裂していく過程が有利であることが明らかとなった。この結果は、合成された縮環系テトラジンの開裂パターンとよい一致を示した。 合成された化合物につき、その生理作用を検討する目的で、活性酸素との相互作用を検討した。トリアジン誘導体がスーパーオキシドと反応し、特異な生成物を与えることを見出したので、これを生体系に応用すべく、現在検討している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takashi Itoh: "The Reaction of 3,3'-Dimethyl-2,2'-bithiazolium Salts with Superoxide" Tetrahedron Letters. 33. 6983-6986 (1992)
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[Publications] Takashi Itoh: "The Reaction of 2-Methyl-1,2,3-Triazinium Iodide and Related Compounds" Chemical and Pharmaceutical Bulletin. 40. 2283-2286 (1992)
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[Publications] Takashi Itoh: "Reaction of Imidazoles with Allyltributyltin in the Presence of Chloroformate" Tetrahedron Letters. 33. 5399-5402 (1992)
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[Publications] Takashi Itoh: "Thermolysis of 1,2,3-Triazines" Heterocycles. 34. 1183-1190 (1992)
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[Publications] Takashi Itoh: "The Reactivity of Monocyclic 1,2,3-Triazine" Heterocycles. 33. 631-639 (1992)