1992 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ照射高分子添加物を利用する新規のDDS製造法に関する設計と開発
Project/Area Number |
04671327
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
葛谷 昌之 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (10082984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 伸一 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (90240944)
野口 章公 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (90094333)
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Keywords | プラズマ化学 / 表面ラジカル / ESR / ポリエチレン / ポリカーボネート / ラジカル再結合 / DDS / テオフィリン |
Research Abstract |
1.われわれはかねてより非反応性プラズマ照射によって種々の合成高分子粉末試料に生成する表面ラジカルをそのESRスペクトル測定とシミュレーションによって明らかにしてきた。本研究においては、同様の方法によって未検討であったポリエチレン(PE)および重縮合型高分子(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)等)を種々の条件下でArプラズマ照射し、生成する表面ラジカル構造と生成特性を明らかにした。この中でPIに生成するラジカル量は他に比べ強大であったが、これは含窒素高分子に特有であることから、炭素共役系窒素中心ラジカル生成によるものと推定した。 2.プラズマ照射高分子の完全無酸素状態でのメカノケミカル的なラジカル再結合反応は、高分子間相互作用の大きいアクリルアミド等を除き、主鎖型ラジカルのPEのみならず主鎖切断型ラジカルのポリメチルメタクリレートにおいても主尾よく進行した。また、それらの反応はESR速度論の解析より、おおむね二次反応に従うことが示された。この知見から、テオフィリン(モデル薬物)をプラズマ照射PE粉末とともに混合粉砕したところ、その粉末はブランクに比べ、明らかな薬物溶出制御効果を示し、合目的の種々のモノリティック型DDS製造の可能性が強く示唆された。 3.プラズマ照射重縮合型高分子に生成するラジカル構造とプラズマ分解性(重量損失試験)の研究結果から、PCはエステル部位の分解とともに芳香環部位の架橋反応が速やかに進行することが示唆された。したがって、テオフィリンを核錠として、単一外層高分子にPCを用いた二重錠剤を製造し、酸素プラズマ照射したところ、徐々に多孔性外層に変換し、薬物の溶出制御が可能になることが示された。この様に、反応条件の設定によって様々なリザーバー型DDSの製造法が確立した。
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Research Products
(1 results)