1992 Fiscal Year Annual Research Report
膜蛋白質の新しい結晶化方法の開発とその大腸菌膜結合型ホスホリパーゼAへの応用
Project/Area Number |
04671331
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
瀬高 守夫 帝京大学, 薬学部, 教授 (70012630)
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Keywords | 膜蛋白質の結晶化 / 膜結合型ホスホリパーゼA / 2次元結晶 / 膜蛋白質の抗体カラム |
Research Abstract |
蛋白質のX線結晶解析のために、膜蛋白質の良好な結晶を得る確実な方法の開発を本研究では目指している。実験計画は3段階に分かれ、第一段階は大腸菌の膜結合型ホスホリパーゼA(DRPLA)の純粋酵素試料を大量に調製すること、第二段階では水の表面に作った脂質単分子層膜を利用して、DRPLAの2次元結晶を作製すること、第三段階では水の表面に作られたDRPLAの2次元結晶をガラスプレート上に累積したり、あるいは、2次元結晶の自然成長によってDRPLAの3次元結晶を得ることから成っている。平成4年度では第一段階のDRPLAの精製を行なった。DRPLA活性が40倍の過剰産生菌を出発材料とし、破菌し、SDS界面活性剤で可溶化した菌ホモジネートから膜画分を調製し、アセトン沈澱、バッチ方式のセファロースQ吸着精製、セファロースQカラム分離にてDRPLAの粗画分を得た。これはまだ多くの不純物蛋白を含んでおり、純粋酵素の調製のため、抗体カラムの作製を試みた。即ち、粗DRPLAを電気泳動し、DRPLAに対応したバンドを切り取って抗原とし、家兎に免疫し抗血清を得た。アフィゲルプロテインAカラムを用い、抗血清からIgG画分を得た。これがDRPLAのポリクローナル抗体であることはウエスタンブロッティングで確認した。抗体カラムの予備的検討によると、界面活性剤によって可溶化されたDRPLAは抗体カラムとの結合が界面活性剤自身によって妨げられることが判明した。DRPLAを可溶化する一連のバッファー系を検討したところ、トリス塩酸バッファーに40%のエタノールを含む系が適当であることを見い出した。現在、この系を使って抗体カラムによるDRPLAの最終精製を検討している段階である。
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