1994 Fiscal Year Annual Research Report
膜蛋白質の新しい結晶化方法の開発とその大腸菌膜結合型ホスホリパーゼAへの応用
Project/Area Number |
04671331
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Research Institution | TEIKYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
瀬高 守夫 帝京大学, 薬学部, 教授 (70012630)
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Keywords | 膜蛋白質の結晶化 / 膜結合型ホスホリパーゼA / 2次元結晶 / 膜蛋白質の抗体カラム / 蛋白質の電気泳動精製 |
Research Abstract |
私共は膜蛋白質を結晶化する方法の開発を目指している。 本実験は2段階に分かれ、第一段階では大腸菌の膜結合型ホスホリパーゼA(DRPLA)の純粋酵素試料を大量に調製し、第二段階では水の表面を利用して、DRPLAの二次元結晶を作製し、それから三次元結晶を得る。大腸菌のDRPLA過剰産生菌から出発し、SepharoseQカラムクロマトグラフィーを通してDRPLA粗精製品を予定通り得た。これを更に精製するために抗体カラムを作製した。家兎の抗血清からIgG画分を精製した。抗体カラムによる精製を試みたところ、本酵素を可溶化するために加えた界面活性剤によってDRPLAの抗体への結合が妨げられることが判明した。各種のバッファー系を調べたところ40%エタノール含有トリス緩衝液においてはDRPLAの抗体への結合が起こった。しかし吸着した蛋白を抗体カラムから溶出して調べたところ、DRPLA以外にまだ2〜3の疎水性蛋白が混入しており、また、DRPLAの回収率も低いことから、抗体カラム精製法は不適切であると結論した。そこでポリアクリルアミドゲル電気泳動によるDRPLAの精製を試みた。大量の試料を泳動するため先ず大型電気泳動装置を作製した。泳動セルはガラス製で平板な箱型(20cm×20cm×2cm)とし、その中に10%のポリアクリルアミドゲルを作製した。泳動したゲルを5mm間隔に切断し、そのDRPLA活性を測定しDRPLAバンドを含むゲル片を同定した。溶出セルは基本的に泳動セルと同じだが、底に合成繊維の網をはり、その上にDRPLA保持ゲル片をその方向を保って並べた。隙間にはポリアクリルアミドゲルで固める。電流を流し、バンド中の蛋白を少量の緩衝液の中に回収した。この精製法はまだ実験の途中あるが、予備実験の結果によるとほぼ純粋なDRPLAが得られた。
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