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1992 Fiscal Year Annual Research Report

ヒト線維芽細胞の延命・不死化に関わる細胞遺伝子のクローニング

Research Project

Project/Area Number 04671353
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

井出 利憲  広島大学, 医学部, 教授 (60012746)

Keywords細胞老化 / ヒト線維芽細胞 / T抗原 / 分裂寿命 / インターフェロン / cDNAライブラリー / 培養細胞
Research Abstract

ヒト正常細胞に顕著に見られる細胞老化(分裂寿命)に関わる細胞遺伝子をクローニングするため、SV40のT抗原遺伝子でトランスホームした線維芽細胞株を樹立し、分裂寿命を越えて延命中の細胞に由来するcDNAを作成し、これを若いトランスホーム細胞由来のcDNAで差し引いて、サブトラクションライブラリーを作成した。若い細胞と延命細胞の各々のcDNAをプローブとして数回のスクリーニングを行い、延命細胞に特異的に発現の見られるcDNAをクローニングした。各クローンについて塩基配列を決定し、データバンクの配列と照合した。配列が既に登録されていたクローンはインターフェロン(IFN)誘導遺伝子であったので、老化・延命細胞における他のIFN誘導遺伝子の発現についても調べたところ、いずれも若い細胞に比べて発現が上昇していることが解った。若い細胞にIFNを処理すると増殖誘導が抑制された。以上の結果は、老化細胞が増殖できなくなる原因の少なくともひとつは、IFN誘導遺伝子の発現が高まることに起因することを示唆する。この場合でも、T抗原を有するトランスホーム細胞は、T抗原の働きによってさらに増殖を続ける(延命)ものと考えられる。
次の問題は、老化細胞でIFN誘導遺伝子の発現が高まることの原因であるが、これは次年度に継続して解析する予定である。一方、データバンクに未登録の配列をもつcDNAもクローニングされた。これらについては、現在、cDNAライブラリーから全長のcDNAを得ることを急いでおり、得られ次第、全塩基配列を決定する予定である。これを若い細胞に導入し、細胞増殖抑制効果を持つか否かなどを次年度で継続する予定である。以上、本研究課題については、順調に初期の目的を達成し、次年度は更にこれを継続して解析する見通しが明かになった。以上の成果は、現在、論文としてまとめているところである。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 井出 利憲: "ヒト線維芽細胞の分裂寿命と不死化" 癌と化学療法. 19. 1091-1098 (1992)

  • [Publications] 原 英二: "ヒト線維芽細胞の老化(不死化)関連遺伝子" 組織培養研究. 11. 43-48 (1992)

URL: 

Published: 1994-03-23   Modified: 2016-04-21  

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