1992 Fiscal Year Annual Research Report
Ca^<2+>結合蛋白質レギュカルチンの細胞内情報伝達系における調節的役割とその機構
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04671362
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
山口 正義 静岡県立大学, 大学院・独立研究科, 助教授 (70046308)
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Keywords | カルシウム結合蛋白質 / レギュカルチン / 肝細胞機能 / (Ca^<2+>-Mg^<2+>)-ATPアーゼ / 核機能 / カルシウムトランスポート |
Research Abstract |
1.肝細胞膜における情報伝達系に及ぼすレギュカルチンの作用 1)ラット肝細胞膜の細胞内Ca^<2+>のポンプ機能の役割を果している(Ca^<2+>-Mg^<2+>)-ATPaseの活性調節に及ぼすレギュカルチン(RC)の作用を調べると、RCにより本酵素は活性化し、情報伝達因子のCa^<2+>の細胞内濃度を調節するのに役割を果していることが示唆された。更に、RCは本酵素に直接結合し、酵素の構造変化をもたらし、活性調節していることが推察された。 2)次に、肝細胞膜(Ca^<2+>-Mg^<2+>)-ATPase活性に及ぼす各種ホルモン(インスリン,エピネフリン,カルチトニン,α_1-レセプターアゴニスト)の作用を調べ、RCの効果との相互作用について調べた。エピネフリン,インスリン,α_1-アゴニストは、本酵素活性を高めたが、RCとの相互作用により、それらホルモンとRCの効果はいずれも減弱された。RCはホルモン不作用時には肝細胞内CA^<2+>の調節に役割を果し、作用時にはその調節的役割が消失するものと推察された。 2.肝細胞核におけるCa_<2+>トランスポート系に及ぼすRCの作用 単離肝細胞核において、NAD^+,アラキドン酸が核内へのCa^<2+>取り込みを阻害し、またその放出をも促進することが見出された。これは、細胞核がCa^<2+>により調節されており、核内Ca^<2+>レベルを維持する調節機構が存在することを示唆した。RCは、核内へのCa^<2+>取り込みには作用せず、その放出を促進する。Cyclic AMP,IP_3などのホルモンの細胞内情報伝達因子は核のCa^<2+>輸送系には作用せず、RCとの相互作用もみられなかった。肝細胞核にCa^<2+>-ATPaseが存在することを確認したが、RCは本酵素の活性調節には関与していなかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hiroko,Takahashi Masayoshi,Yamaguchi: "Regulatory effect of regucalcin on (Ca^<2+>-Mg^<2+>)-ATPase in rat liver plasma membranes:Conparison with the activation by Mn^<2+> and Co^<2+>" Moleculan and Cellulan Biochemistry. (1993)
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[Publications] Kimiko,Oishi Masayoshi,Yamaguchi: "Effect of nicotinamide-adenine dinncleotides on Ca^<2+> transport system in rat liven nuclei:stimulation of Ca^<2+> release by NAD^+" Moleculan and Cellular Biochemistry. (1993)
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[Publications] Kimiko,Oishi Masayoshi,Yamaguchi: "Regulatory effect of arachidonic acid on the calcium transport sYstem in rat liven nuclei." Biochemical Pharmacology. 45. (1993)