1993 Fiscal Year Annual Research Report
脳に特異的に存在する14kDa(PNP14)タンパク質の生理機能の解明
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04671370
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中条 茂男 昭和大学, 薬学部, 助教授 (50119236)
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Keywords | 脳特異的タンパク質 / PNP 14 / チロシンリン酸化 / PI3-キナーゼ / pp60^<src> / in situハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
【.encircled1.】牛大脳から精製したPNP 14の全一次構造をタンパク化学的手法を用いて決定した。牛大脳から精製したPNP 14をトリプシン、キモトリプシン、V8プロテアーゼ、あるいはBrCN処理し、ODS逆相カラムを用いたHPLCで各ペプチドを単離した。得られたペプチドを気相プロテインシークエンサーによりアミノ酸配列を決定した。それぞれのペプチドのアミノ酸配列をオーバラップさせることにより、PNP 14の全一次構造を決定した。牛PNP 14は134アミノ酸から構成され、C-末端に酸性アミノ酸に富む領域を有し、PNP 14が酸性タンパク質であることをその構造上から証明した。 【.encircled2.】PNP 14がin vitro,in vivoでリン酸化されることを見いだした。さらに、in vitroキナーゼ反応により、カルモデュリンキナーゼIIによってリン酸化されることを明らかにし、そのリン酸化部位がSer118であることを報告した。また、EGF受容体やpp60^<v-src>によりチロシン残基でもリン酸化され、EGF受容体のリン酸化部位がTyr39であることを明らかにした。 【.encircled3.】牛大脳の可溶性画分に存在するPNP 14結合タンパク質について検討し、phosphatidylinositol 3-kinase、およびpp60^<c-src>がPNP 14と複合体を形成することを見いだした。 【.encircled4.】ラット脳中のPNP 14、およびそのmRNAの局在性について免疫組織化学、およびin situハイブリダイゼーション法を用いて解析した。PNP 14は大脳では、海馬、線条体に、小脳では分子層、顆粒層に認められた。一方、mRNAは大脳では海馬、梨状皮質に、小脳では顆粒層にその発現を認めた。
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