1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04671421
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
荻田 喜代一 摂南大学, 薬学部, 助手 (90169219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 幸雄 摂南大学, 薬学部, 助教授 (50094454)
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Keywords | 興奮性アミノ酸レセプター / N-メチル-D-アスパラギン酸 / AMPA / カイニン酸 / [^3H]グルタミン酸結合 / グルタミン酸結合蛋白質 / 可溶化 / 精製 |
Research Abstract |
ラット脳のN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)レセプター複合体の可溶化および精製を[^3H]グルタミン酸(Glu)結合を指標として試みた。脳膜標品を1%デオキシコール酸(DOC)で可溶化した。本実験条件下の可溶化標品中には、NMDAアゴニスト、グリシン(Gly)およびポリアミンに感受性を持つ[^3H](+)-5-methyl-10,11-dihydro-5H-dibenzo[a,d]cyclohepten-5,10-imine(MK-801)結合部位が存在した。さらに、本標品中のNMDA感受性[^3H]Glu結合および[^3H]Gly結合を測定したところ、ともに蛋白質量依存性の特異的結合が検出された。[^3H]Glu結合に対するアゴニストの効果を検討したところ、NMDA、DL-α-amino-3-hydroxy-5-methylisoxazole-4-propionic acid(AMPA)およびカイニン酸(KA)はいずれも濃度依存的に結合を阻害したが、10^<-4>MのNMDA、AMPAあるいはKAの添加時でもそれぞれ40.8±3.7%、58.2±3.7、51.9±4.8の結合が残存していた。NMDA(10^<-4>M)存在下の結合は、Glu、AMPAおよびKAにより完全に阻害されたが、NMDAアンタゴニストの(±)-3-(2-carboxypiperazin-4-yl)propyl-1-phosphonate(CPP)およびD-2-amino-5-phosphonovalerate(D-AP5)では阻害されなかった。一方、AMPA(10^<-4>M)あるいはKA(10^<-4>M)存在下の結合は、いずれもGlu、NMDA、CPPおよびD-AP5より阻害されたまた、AMPAあるいはKA存在下の結合はそれぞれKAおよびAMPAでは著変を受けなかった。次に、DEAE-Toyopearl 650Mカラムクロマトグラフィを行ったところ、0.05、0.1、0.2、0.3および0.5M KClのすべての溶出画分に[^3H]Glu結合が検出され、それぞれ画分I、II、III、IVおよびVとした。画分1の結合はNMDA、AMPAあるいはKAのいずれの添加でも阻害されず、QAでのみ阻害された。一方、画分II〜Vの結合はすべてのアゴニストにより阻害された。その中で画分IIはNMDAによる阻害が比較的微弱であるのに対して、画分III〜VではNMDAによる阻害成分の割合が比較的高いことが判明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 荻田 喜代一: "NMDA脳室内投与による転写制御因子のDNA結合能の変動" 神経化学. 31. 170-171 (1992)
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[Publications] 荻田 喜代一: "転写制御因子AP-1のDNA結合能" 神経化学. 31. 436-437 (1992)
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[Publications] Kiyokazu Ogita: "Inhibition of calmodulin antagonists of [^3H]MK-801 binding in brain synaptic membranes" J.Neurochem.59. 1008-1016 (1992)