1993 Fiscal Year Annual Research Report
DNA解析によるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌院内感染の分子疫学的研究
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04671432
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
一山 智 名古屋大学, 医学部, 講師 (30223118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武澤 純 名古屋大学, 医学部, 助教授 (20116057)
太田 美智男 名古屋大学, 医学部, 教授 (20111841)
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Keywords | MRSA / 院内感染 / DNAタイピング |
Research Abstract |
MRSA院内感染の疫学研究には従来よりファージ型別、コアグラーゼ型別、薬剤対性型別、生物学的性状などが用いられてきた。われわれはMRSA臨床分離株について、DNA解析による分子生物学的な手法を用いて疫学研究を行っている。 名古屋大学病院の入院患者におけるMRSAの分離頻度、MRSA感染症の発生頻度を引き続き調査し、分離されたMRSAをパルスフィールド電気泳動法によってゲノタイプを決定し、院内における感染の実体を詳細に検討した。 さらに全国国立大学病院から集められたMRSA563株についてもゲノタイプを調べ、地域的なMRSAの広がりの違いについても検討した。 これらのゲノタイプをまとめ、MRSA分離株のカタログともいうべきDNAタイピングシステムを、コンピューターによって作成した。このシステムを用いれば、院内での菌の比較はもちろん、病院間あるいは国の内外の菌の比較も可能になった。 MRSAのなかでも菌株毎にその病原性の程度が異なる。とくに重症のMRSA感染症の患者から分離された株についてはくわしく調べ、それらの株で特徴的なゲノタイプがあるのか否かを検討している。もしこのことが検証できれば、ゲノタイプから重症感染症を引き起こす可能性のあるMRSA菌株をあらかじめ知ることによって、予防対策をたてることが可能になる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tsuyoshi.Iwahara Satoshi.Ichiyama et al: "Clinical and epidemiologic investigations of nosocomial pumonary infections caused by methicillim-resistant Staphylococcus aureus" Chest. in press. (1993)
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[Publications] 一山智: "院内感染の疫学" 日本内科学会雑誌. 82. 1150-1154 (1993)
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[Publications] 一山智: "MRSAの疫学的検索" 集中治療. 5. 13-22 (1993)
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[Publications] 太田美智男・一山智: "MRSAの感染機序" 日本医事新報. 3589. 130-132 (1993)
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[Publications] 一山智: "MRSAの疫学マーカー" INFECTION CONTOROL. 3. 73-78 (1992)
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[Publications] 一山智・太田美智男: "パルスフィールドゲル電気泳動法とその分子疫学研究への応用" 日本臨床. 50. 143-148 (1992)