1993 Fiscal Year Annual Research Report
サイトメトリーを用いた個々の細胞内pH測定による細胞活性化の検討
Project/Area Number |
04671440
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
中原 一彦 杏林大学, 医学部, 教授 (70101095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 潤 杏林大学, 医学部, 助手 (80241008)
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Keywords | フローサイトメトリー / 細胞内pH / 細胞活性化 / 細胞表面抗原 |
Research Abstract |
細胞内pH(pHi)は細胞の活性化状態を知る上で大変重要な指標である。pHiを、細胞のサブセットごとに解析可能な、フローサイトメトリーを用いて測定する方法を確立し、種々の生理機能や病態の解析に応用するのが、本研究の目的である。今年度の研究経過を、以下箇条書きにして記載する。 1.細胞表面抗原とpHiの二重染色の検討 pH指示薬bis-carboxyethyl carboxyfluorescein(BCECF)によるpHiと、細胞表面抗原の二重染色の検討において、昨年度は、phycoerythrin(PE)を標識したモノクローナル抗体を用いて表面抗原を染色したが、BCECFの螢光とPEの螢光の分離が不充分であった。今回はPEの代わりに、螢光波長が677nmのperidinin chlorophyll protein(PerCP)を用いて検討した。その結果、BCECFとPerCPはお互いに殆ど干渉し合うこと無く、良好な分離が得られた。 2.pHiの経時的変化の測定 細胞の活性化の動きを知るためには、pHiを時間を追って調べる必要がある。mitogen(PHA,ConA)刺激ラット脾細胞の活性化の動きを、コンピユーター・ソフトを用いて経時的に観察する事を可能とし、それにより、PHAとConAで活性化の動きが異なる事が示唆された。 3.細胞サブセット毎のpHiの経時的変化 ConA刺激後ラット脾細胞において、CD4,CD8陽性細胞のpHiの経時的変化を、それぞれ別個に観察可能とした。ただしこの場合、mitogen刺激による細胞の大きさの変化のfactorがかぶっている可能性があり、その補正が今後の課題である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 中原一彦: "フローサイトメトリーによる細胞内pHの測定" Laboratory and Clinical Practice. 11. 4-7 (1993)
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[Publications] 田坂哲哉、他: "共焦点レーザー走査型顕微鏡による細胞表面抗原の観察" Cytometry Research. 3(suppl). s62-s66 (1993)
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[Publications] 田坂哲哉、他: "リンパ球表面マーカーのマルチカラー解析" 細胞(The cell). 25. 518-522 (1993)
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[Publications] 中原一彦: "白血病細胞のマーカー診断" 臨床病理. 41. 1296-1304 (1993)
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[Publications] 中原一彦、他: "フローサイトメトリー入門" トプコ出版部, 99 (1993)