1992 Fiscal Year Annual Research Report
急性心筋梗塞患者血小板におけるプロスタサイクリン・レセプターに関する研究
Project/Area Number |
04671441
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
安藤 泰彦 東海大学, 医学部・臨床病理, 教授 (50051470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 勇人 東海大学, 医学部・臨床病理, 講師 (20174196)
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Keywords | プロスタサイクリンレセプター / Iloprost / 血小板凝集能抑制作用 / Binding Assay / 血栓症 |
Research Abstract |
本研究では、ヒト血小板膜のプロスタサイクリンレセプター(以下PGI_2R)に関するPGI_2感受性試験、プロスタサイクリンの安定誘導体であるIloprostを使って^3H-Iloprostの血小板へのBinding Assayを確立した。結果は下記のごとくである。 (1)PGI_2感受性試験の確立 健常人、糖尿病、家族性高脂血症患者血小板にIloprostを作用させ同薬剤の血小板凝集能抑制作用(50%有効濃度[ED_<50>])を求めた。その結果糖尿病患者においては正常人との有意差はなかったが、家族性高脂血症患者で正常人よりもやや感受性が高い傾向があった。 (2)PGI_2R測定系の確立 健常人および高脂血症、本態性血小板増多症患者血小板膜を用いて^3H-IloprostとのBinding AssayによりPGI_2Rの数とkdを求めた。結果、血小板数が200万以上になる本態性血小板増多症患者ではレセプター数が2倍に増加したが、その時点でのkdは変わらなかった。今後はReceptor Assayについてもセカンドメッセンジャーであるc-AMPと関連づけて検討していく計画である。 尚、今回PGI_2Rの純化に関する研究にあたり、CHAPSを用いたPGI_2Rの溶出、つづいて抽出を行なう予定であったが、スクリーングの為Binding Assay(2)を試みた結果、界面活性剤により収率が30%以下とかなり低く、しかも使用するIloprostが高価であるなど多くの問題点があり現在ヒト遺伝子を使ってPGI_2Rと思われるcDNAをクローニングする計画で、DNAフラグメントを解析中である。
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