1992 Fiscal Year Annual Research Report
ブドウ球菌性表皮剥脱素に対する免疫応答能と疾患感受性の解析
Project/Area Number |
04671442
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
町田 勝彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70056886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 慎太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20186258)
保科 定頼 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30119846)
上出 良一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (40119780)
桜井 進 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20056542)
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Keywords | ブドウ球菌性表皮剥脱素 / 伝染性膿痂疹 / 細胞性免疫 / 液性免疫 / 免疫応答遺伝子 / HLA |
Research Abstract |
平成4年度は本研究を遂行するための基礎的実験に重点をおいて、以下のような成果を得た。まず免疫学的研究に必要な抗原としての精製ブドウ球菌性表皮剥脱素を得る方法として、黄色ブドウ球菌ZM株の培養濾液に100%硫酸アンモニウムにて沈澱した画分を逆相分配カラムクロマトグラフィー法を用いて、1M硫酸アンモニウムのdecreasing gradientelutionにて分画し、第2番目のピークにブドウ球菌性表皮剥脱素が効率的に回収できることが判明した。従ってこの操作によって大量の表皮剥脱素が得られることになる。次にヒトのHLA-DR領域が抗表皮剥脱素抗体の産生を支配していると思われるので(表皮剥脱素はT細胞依存型の抗原である)患者のHLA検査、殊に小児でD測定できるように採血量を少くしてPCR法を用いて測定可能であるかどうかを検討した。前回の研究において血清反応によるHLADR型別を行って、結果の判明している4名より血液5mlを採血し、比重遠心沈澱法によって白血球を分離後、生理食塩水で洗浄し、白血球溶解液に浮遊させとからプロティナースKとSDSで一夜55℃に放置後フェノールにてDNAを抽出してエタノールで沈澱をくり返してDNAの分離を行った。これをPCR法にてまずHLA-DRの型をおおまかに判定してから、各型に特異的な制限酵素でDNAを切断して、ポリアクリルアミドで展開してバンドを観察した。そのパターンより各人のHLADRを決めた。前回測定してあった血清反応による型と今回のDNAによる判定が一致した。但しDNA法の方が敏感であるため旧来DR2はDR15であると判定された。更に使用血液量は白血球数として10^6個あれば測定可能であるため白血球数が4000/μl以上の人であれば1mlの血液量でHLADRの測定が可能となった。平成5年度は以上の結果を基に患者よりの検査材料にて測定してゆくことになる。
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