1993 Fiscal Year Annual Research Report
血中インスリンおよび関連12ペプチドホルモンの同時定量
Project/Area Number |
04671443
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Research Institution | KANAZAWA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松本 勇 金沢医科大学, 総合医学研究所, 教授 (20080567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新家 敏弘 金沢医科大学, 総合医学研究所, 助教授 (10098858)
久原 とみ子 金沢医科大学, 総合医学研究所, 助教授 (30080568)
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Keywords | インスリン / グルカゴン / ACTH / イオンスプレー / LC / MS / トリプル四重極質量分析計 / マスクロマトグラフィ / MALD |
Research Abstract |
前年度の研究成果で報告したように、インスリンと関連12ペプチドホルモンのAquapore OD 300-7m 2.1x100C_<18>ABIの逆相カラムの高速液体クロマトグラフィーで分離し、直ちにPerkin-Elmer社のSciex API-IIIトリプル四重極質量分析計で分析し、定量を試みた.13のペプチドホルモン全てを35分以内に分離することができ14fmol/mu1 6pmol/mu1の濃度範囲で良好な直線性を示す検量線を得ることができた.しかし、これらの濃度は2、3のペプチドホルモンを除き、血中に含まれる各ペプチドホルモンの値に比べて100程高い濃度であるため、そのままでは血中濃度の測定不可能で、1)さらに検出感度を高めるか、2)何らかの方法で濃縮することが必要である. 1)の試みとして飛行時間型質量分析計(Time of Flight mass spectrometer:TOF)による測定を行った.5〜500fmol(28 2、800pg)の仔牛インスリンをシンナピン酸のマトリックスと混和し、matrix assisted laser desorption:MALDで測定した.その結果、5fmolでも高いS/N比でインスリンのピークが検出され、数fmolの測定が可能であることがわかった。 2)の試みとしてSEP-PAK C_<18> CARTRIDGEに血清2mlを加えて吸着させた後、3mlのアセトニトリルで溶出する.溶出液を減圧下に乾固し、10mulのアセトニトリルに溶かしてその2mulをMALDで分析した.1)と2)の方法を組み合わせた方法で現在実験を継続しているが、機器の故障などのため期待した成果はまだ得られていない. これまでに得られた成果は、MALDで血清中インスリン濃度の約10倍までの定量を可能にした.今後インスリンの濃縮法についてさらに検討を加えてゆく予定である.
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[Publications] 松本,勇: "マススペクトロメトリーの最近の進歩" 衛生化学. 39(4). 266-280 (1993)
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[Publications] "dvances in Chemical Diagnosis and Treatment of Metabolc Disordrs(Vol.2)" I.Matsumoto,T.Kuhara,O.A.Mamer and L.Sweetman, 220 (1994)