1992 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン受容体のキナーゼ活性化及び細胞内シグナル伝達のメカニズムについて
Project/Area Number |
04671461
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小田原 雅人 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00224254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日 雅人 神戸大学, 医学部, 教授 (50161047)
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Keywords | インスリン受容体 / チロシンキナーゼ / 自己リン酸化 / インスリン抵抗性 / 非インスリン依存性糖尿病 / 高インスリン血症 / 遺伝子変異 / ヘテロ接合体 |
Research Abstract |
著明な、インスリン抵抗性を示す、非インスリン依存性糖尿病例より作製した、EBウイルス転換リンパ球を用いて、インスリン結合及び、インスリン受容体のインスリン依存性リン酸化を検討したところ、インスリン結合は、正常で、自己リン酸化及び、キナーゼ活性の著明な低下を認めた。同症例のインスリン受容体遺伝子を検索したところ、exon17のキナーゼ領域の遺伝子変異(Gly(C1008)→Val(1008))を認めた。しかし遺伝子の異常はheterozygoteであり、それだけでは、キナーゼ活性の低下が説明できなかった。我々は、キナーゼ活性の低下が何らかの別の遺伝子異常を合併しているcompound heterozygoteによるものでないことを証明する為、同症例のインスリン受容体遺伝子の全エクソンの遺伝子配列を検討した。exon2及び11を除く全エクソンの検索では、インスリン受容体のキナーゼ活性を低下させる様なmutationは発見できなかった。我々の検索では、Asp^<234>、Gln^<276>、Asp^<519>など8ケ所のPolyrnorphismが発見された。これらの検索により、自己リン酸化及び、キナーゼ活性の低下は、複合ヘテロ接合体、即ち、他のmutationが存在する為に、相互作用により、著明な低下を示していたのでは、なく、一つのheterozygoteの変異により、transphosphorylation障害が、起こり、Kinase活性が、約20%に低下したと考えられる。即ち、Kinase defective な、受容体は、自己リン酸化が起こらず、約50%の自己リン酸化能しかないが、Kinase activeな受容性も、transphosphorylationによってリン酸化する受容体が、リン酸化される能力を有しない為に、キナーゼ活性は、約4分の1に低下したものと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 小田原 雅人 他: "インスリン受容体異常症" Modern Physician. 12. 1107-1112 (1992)
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[Publications] 小田原 雅人 他: "leprechaunismにおいて同定されたインスリン受容体チロシンキナーゼドメインのミスセンス変異(ホモ)" 日本内科学会雑誌. 82. 130- (1993)
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[Publications] 小田原 雅人 他: "インスリン受容体異常症に見い出された遺伝子異常 ー受容体活性化機構についての検索ー" 糖尿病. 35. 149- (1992)