1994 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン非依存性糖尿病におけるインスリン受容体およびグリコキナーゼ遺伝子の解析
Project/Area Number |
04671466
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Research Institution | University of Yamanashi Medical School |
Principal Investigator |
多和田 眞人 山梨医科大学, 医学部, 講師 (40109187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 正晴 山梨医科大学, 医学部, 助手 (10262651)
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Keywords | インスリン非依存性糖尿病 / インスリン受容体遺伝子 / グルコキナーゼ遺伝子 / 遺伝子増幅(PCR) / SSPC解析 / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
1)インスリン非依存性糖尿病患者70人と正常人50人を対象にインスリン受容体遺伝子とグルコキナーゼ遺伝子をpolymerace chain reacion(PCR)による遺伝子増幅後、single strand conformation polymorphism(SSCP)解析法により遺伝子解析を行った。グルコキナーゼ遺伝子に関しては、4種類、計6人に遺伝子変異を認めた。しかし3種類はイントロン部分の変異で残りの1種類は第4エクソンの145番目のイノセント変異(アミノ酸置換を伴わない変異)であった。イントロン変異によりアミノ酸配列が異なる場合もあるが、われわれが発見したイントロン変異は、アミノ酸配列の異常(スプライシングの異常)をきたさない変異と考えられた。正常人においては、グルコキナーゼ遺伝子変異は一例も認められなかった。以上の結果から、インスリン非依存性糖尿病患者の約9%にグルコキナーゼ遺伝子の多型は認められるものの、グルコキナーゼの質的な変化をきたすものではないと考えられた(2論文発表済み)。 2)グルコキナーゼ遺伝子の上流域は遺伝子の発現を調節している領域であり、この部分の変異は、グルコキナーゼの量的な変化をもたらす可能性がある。そこでわれわれはグルコキナーゼ上流域の約2000塩基対のスクリーニングを行なった。糖尿病患者で4パターン、正常人では3パターンを認め、正常人の3パターンは、糖尿病患者のパターンと共通していた。糖尿病患者にのみ認められたパターンが糖尿病発症と直接関連するか今後の検討が必要である(論文準備中)。 3)インスリン受容体に関しては現在もなお解析中である。 4)現在、ほとんどの遺伝子変異のスクリーニングは前述したPCR‐SSCP法を用いて行っている。この方法では解析できる塩基対はせいぜい数百塩基対に限られる。このため、100塩基対以上もあるインスリン受容体遺伝子をスクリーニングするには22のエクソンをそれぞれPCRにて増幅し、SSCP解析する必要がある。そこでわれわれは、長鎖PCRにて20k塩基対程度を一度に増幅し、その後制限酵素で切断して、その断端を標識後SSCP解析するという新しいスクリーニング法を開発し、これをPCR‐restriction fragment(RF)‐SSCP解析法と命名した。この方法そのものは本科研費の研究テーマではなかったが、大きな遺伝子(たとえばインスリン受容体遺伝子)のスクリーニングを簡便に行えるように工夫した結果の副次的産物として誕生した。これはこれまでのPCR‐SSCP解析に比べてスクリーニングの効率が現段階でも20〜50倍程度あり、将来的には数百倍にもなり得る極めて優れた方法である(論文投稿中)。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tawata,M.et al.: "Variant forms of glucokinase gene in Japanese patients with late-onset type 2 diabetes." Acta Diabetologica. 31. 238-241 (1994)
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[Publications] Tawata,M.et al.: "Insulin Resistance In Human Disease Excepta Medica Internationa COngress Series 1035" Elsevier Science Publisher B.V., p183-186 (1993)