1994 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性甲状腺疾患における甲状腺増殖刺激抗体に関する研究
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04671475
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
笠木 寛治 京都大学, 医学部, 助教授 (20115819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
御前 隆 京都大学, 医学部, 助手 (60181872)
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Keywords | 甲状腺増殖 / FRTL-5細胞 / サイトカラシンB / 甲状腺刺激ホルモン / TSH受容対抗体 |
Research Abstract |
私達はCytocha lasin B(CB)を用いる新しい甲状腺増殖刺激活性の測定法を開発した。CBは細胞分裂は阻害するが核分裂にはほとんど影響しないので、細胞増殖の盛んな系ほど多核細胞が多数出現することになる。 ラット甲状腺細胞株であるFRTL-5細胞を3日間TSH free mediumで培養後、種々の増殖刺激物質または患者血清1gGとCB(2ng/ml)を加えて、一定期間培養した。そして細胞をTrypsin-EDTAで遊離させ、カリノア液で固定し、スライドグラスに展開し、細胞を観察し、細胞数に対する核の数(NC比)を算出した。culture dishに付着した細胞の核数を直接数えていた昨年までの方法に比べて、この改良法ではNC比の算出がより正確であった。 細胞を1mU/mlのhTSHの存在下で培養するとNC比は1日目は約1.2倍、2日目は約1.4倍、3日目では約1.8倍となり、同じ条件での細胞中のDNA量の増加とよく一致していた。CB非添加の場合の細胞数を数えたところ、2日目では約1.6倍、3日目では約2.5倍となった。CBの濃度は2.0mg/mlが適当と考えられた。hTSH添加により濃度依存性のNC比の増加が認められ、最小検出感度は1μU/mlであった。フォースコリンやコレラトキシンもいずれも濃度依存性のNC比の増加を示した。バセドウ病患者6例の1gGも有意のNC比の増加を示した。うち1例では1.8倍の増加が認められた。阻害型TSH受容体抗体陽性の甲状腺機能低下症患者2例の1gGはhTSH(0.1mU/ml)による増殖刺激活性を濃度依存性に抑制した。この方法でTPAは増殖作用を示さなかった。サイミジンの細胞への取り込みはCB非添加では増加したが、添加すると全くみられなくなった。この機序の詳細については現在精査中である。 この方法は他の測定法に比べて細胞増殖をより直接反映するものであり、今後の臨床応用が期待される。
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[Publications] Kanji Kasagi: "Scintigraplnc findings of the thyroid in euthyroid Ophtpialmic Groves' dsaease." J.Nuil Med.35. 811-817 (1994)
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[Publications] Akinari Hidaka: "Stimulated iodiade uptake in PRTL-5 cells preincubeted with Graves immunoglobulins in NACL-free medium A sensitive assay for TSAB" Thyroid.4. 31-36 (1994)
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[Publications] Kanji Kasagi: "Scintigraplnc findrngs of the thyroid in hypcthyroid Patieuts with blocking-typl TSH-receptor cmtipcdies." Eur. J.Nucl.Med.21. 962-967 (1994)
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[Publications] Ryo Takeuchi: Eur.J,Endoainel. (印刷中).